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ヴァレンティナー群と6次交代群の8次元表現

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つづき.

 ヴァレンティナー群(Valentiner group)の存在を知っていながら6次交代群の8次元既約表現の構成法がよくわからない, というのはさすがに鈍かった. {{\bf 3}\otimes\overline{\bf 3}={\bf 8}\oplus{\bf 1}}.

 初めに要点だけ説明する.

 正20面体群{{\mathcal I}\subset SO(3)}が複素射影平面{{\mathbb C}P^2}に作用すると考える. 射影変換をひとつ加えることで, 新たに生成される群が{PSL(3,\mathbb{C})}の部分群として有限になるようにできる. この群は6次交代群{{\frak A}_6}に同型になる. これを{SL(3,\mathbb{C})}に引き戻すと, {\mathbb{Z}/3\mathbb{Z}}に同型な中心を持つ6次交代群の3重被覆になる. これがヴァレンティナー群{{\mathcal V}=3\cdot{\frak A}_6}である. {SU(3)}の部分群として得たヴァレンティナー群から, {SU(3)}の随伴表現の制限によって8次元表現を作る. これが{{\frak A}_6}の忠実な既約表現になる.


正20面体群ミニマム

 正20面体群を具体的につくる. 詳しくは以前の記事を参照.
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 単位超球上にとった正600胞体の頂点120個は{\mathbb{R}^4}で以下の3組に分けられる.

  • {(\pm 1,0,0,0)}の座標を入れ替えたもの...8個.
  • {\left(\pm\frac{1}{2},\pm\frac{1}{2},\pm\frac{1}{2},\pm\frac{1}{2}\right)}...16個.
  • {\left(0,\pm\frac{1}{2},\pm\frac{\phi}{2},\pm\frac{\phi^{-1}}{2}\right)}の座標を偶置換で入れ替えたもの...96個.

ただし{\phi=(1+\sqrt{5})/2}.

 四元数{t+x{\bf i}+y{\bf j}+z{\bf k}\in{\mathbb H}}{(t,x,y,z)\in{\mathbb R}^4}と同一視すると, 正600胞体の頂点は四元数の積によって群をなし, 2項正20面体群{\tilde{\mathcal I}\cong SL(2,{\mathbb F}_5)}, あるいは5次交代群{{\frak A}_5}の2重被覆群と同型である.

 次の準同型写像の制限によって, 中心{\{1,-1\}}を核に持つ, 2項正20面体群から正20面体群{{\mathcal I}}への準同型写像ができる.

{a+b{\bf i}+c{\bf j}+d{\bf k}\in Sp(1)\mapsto
\begin{pmatrix}
a^2+b^2-c^2-d^2&2(-ad+bc)&2(ac+bd)\\
2(ad+bc)&a^2-b^2+c^2-d^2&2(-ab+cd)\\
2(-ac+bd)&2(ab+cd)&a^2-b^2-c^2+d^2
\end{pmatrix}
\in SO(3)}

 3次特殊直交群の部分群として実現される正20面体群は5次交代群の忠実な表現{\rho :{\frak A}_5\rightarrow{\mathcal I}}でもある. 生成元は次のようにとれる.

{\begin{align}
(0,0,0,1)&\mapsto\begin{pmatrix}-1&0&0\\0&-1&0\\0&0&1\\\end{pmatrix}=\rho(\,(12)(34)\,)\\
\left(\frac{1}{2},\frac{1}{2},\frac{1}{2},\frac{1}{2}\right)&\mapsto\begin{pmatrix}0&0&1\\1&0&0\\0&1&0\\\end{pmatrix}=\rho(\,(123)\,)\\
\left(-\frac{\phi^{-1}}{2},0,\frac{\phi}{2},\frac{1}{2}\right)&\mapsto
\frac{1}{2}\begin{pmatrix}-\phi&\phi^{-1}&-1\\-\phi^{-1}&1&\phi\\1&\phi&-\phi^{-1}
\end{pmatrix}=\rho(\,(12345)\,)
\end{align}}


ヴァレンティナー群を見つける

{SO(3)}は5次以下の交代群を部分群に持つ. では6次交代群はどこで現れるかというと, 直交群の部分群としては{SO(5)}に初めて含まれる. ここに射影変換を含めると{PSL(3,\mathbb{C})}に現れる. 普通に"表現"というときの表現ではないが, 3×3行列として書ける. 2項正20面体群が2×2行列で書けることに似ている.

 その名が冠せられているHerman Valentinerは19世紀の数学者.1889年の論文"De endelige Transformations-gruppers Theori"でこの群を見つけているそうだが, 読めていない.

 ここでのやや"発見的"な議論は次の論文に依っている.
Scott Crass "Solving the sextic by iteration: A study in complex geometry and dynamics"
[math/9903111] Solving the sextic by iteration: A study in complex geometry and dynamics

 まず{{\frak A}_6}{\{1,2,3,4,5,6\}}に作用していると考えると, ひとつの{{\frak A}_5}部分群は6の固定化部分群である.

{{\frak A}_5\cong{\mathcal I}\cong{\rm Stab}\{6\}}

この部分群に対し,(1234)(56)を加えることで生成される群はもとの{{\frak A}_6}である.

{{\frak A}_6=\langle {\rm Stab}\{6\},(1234)(56)\rangle}

つまり(1234)(56)の表現を見つけることが目標になる.

{{\rm Stab}\{6\}}は次の形で正4面体群{{\mathcal T}}に同型な4次交代群{{\frak A}_4}を含む.

{{\mathcal T}\cong {\frak A}_4 =\langle (12)(34),(123)\rangle \subset {\rm Stab}\{6\}}

ここに先ほどの(1234)(56)を加えると, 生成される群は4次対称群{{\frak S}_4}である. これが正8面体群に同型であることはいま思い出さなくていい.

{{\frak S}_4\cong\langle {\frak A}_4,(1234)(56)\rangle}

正4面体群と組み合わせることで4次対称群を生成するような, (1234)(56)に対応する3×3行列を見つければよいということになる.

これを考えるため, まず{{\frak A}_4}に同型な{{\mathcal I}}の部分群をとる. 上で既に書いたが,

{\begin{align}
\rho(\,(12)(34)\,)=\begin{pmatrix}-1&0&0\\0&-1&0\\0&0&1\\\end{pmatrix},\ \ \ 
\rho(\,(123)\,)=\begin{pmatrix}0&0&1\\1&0&0\\0&1&0\\\end{pmatrix}
\end{align}}

であった. これらは{{\mathbb R}^3}のベクトル

{\begin{align}
v_1=\left(\!\!\begin{array}{c}1\\-1\\-1\end{array}\!\!\right),\ \ \ 
v_2=\left(\!\!\begin{array}{c}-1\\1\\-1\end{array}\!\!\right),\ \ \ 
v_3=\left(\!\!\begin{array}{c}-1\\-1\\1\end{array}\!\!\right),\ \ \ 
v_4=\left(\!\!\begin{array}{c}1\\1\\1\end{array}\!\!\right)
\end{align}}

に対して

{\begin{align}
\rho(\sigma)v_i\mapsto v_{\sigma(i)}
\end{align}}

と忠実に作用する. これを{{\mathfrak S}_4}に拡張するには, いちばん単純には

{\rho(\,(1234)\,)=\hspace{-.6em}?\ 
\begin{pmatrix}
0&-1&0\\1&0&0\\0&0&1
\end{pmatrix}}

を加えて正8面体群にすれば

{\begin{gather}
\rho(\sigma)\{v_i,-v_i\}\mapsto\{v_{\sigma(i)},-v_{\sigma(i)}\}\\
\sigma\in{\frak S}_4
\end{gather}}

が確かに満たされるが, 正20面体群の生成元と合わせたとき群の有限性が失われる. 厳密には証明しないが, {\rho(\,(12345)\,)}との積を取ったときにトレースが{2\cos(2\pi/n)+1,\ n\in{\mathbb N}}にならないことを見ればよい. そもそも{SO(3)}の有限部分群の分類を知っていれば, 正8面体群を真の部分群に含むものが存在しないので当たり前ではある.

 解決策はこうだ. まずユークリッド幾何学的な描像を越えて{{\mathbb C}P^2}で考える. 射影表現を考えることになるためこれを{\tilde{\rho}}と書く. {{\mathcal I}}に対しては今まで考えていた{\rho}と同じものを取る.

 観察. {\rho(\,(123)\,)}{v_4}を固定する.しかし定数倍を無視すればあと2つの固有ベクトルも不変である.つまり{{\mathbb C}P^2}上で{\tilde{\rho}(\,(123)\,)}は3本の元を固定する. これらを次の{V_4}とする.

{\begin{align}
V_4&=\{\lbrack 1,1,1\rbrack, \lbrack 1,\omega,\omega^2\rbrack,\lbrack 1,\omega^2,\omega\rbrack\}\subset{\mathbb C}P^2
\end{align}}

ただし, {\omega=(-1+\sqrt{3}\,i)/2}は上半平面にいる1の原始3乗根. 適当に{\tilde{\rho}(\,(123)\,), \tilde{\rho}(\,(12)(34)\,)}を作用させることで他の3つも得る.

{\begin{align}
V_1&=\{\lbrack 1,-1,-1\rbrack, \lbrack 1,-\omega,-\omega^2\rbrack,\lbrack 1,-\omega^2,-\omega\rbrack\}\\
V_2&=\{\lbrack 1,-1,1\rbrack, \lbrack 1,-\omega,\omega^2\rbrack,\lbrack 1,-\omega^2,\omega\rbrack\}\\
V_3&=\{\lbrack 1,1,-1\rbrack, \lbrack 1,\omega,-\omega^2\rbrack,\lbrack 1,\omega^2,-\omega\rbrack\}
\end{align}}

{\begin{align}
\tilde{\rho}(\,(12)(34)\,)V_1=V_2,\ \ \ \tilde{\rho}(\,(123)\,)V_1=V_2
\end{align}}
等を満たすことが確かめられる.

 これらの集合に対して(1234)の置換として作用するような変換を探す. といっても先の行列はすでにこの性質を満たしている(共役による作用が正4面体群に対して外部自己同型写像として作用するので当然). 多少根気よく探すと,

{\begin{align}
Q=\begin{pmatrix}0&0&-\omega^2\\0&1&0\\\omega&0&0
\end{pmatrix}
\end{align}}

が新たな候補として挙がる. 正4面体群と合わせて{PSL(3,\mathbb{C})}上に4次対称群を生成することは確かめられる. ただし先ほどとは異なり, 虚数が含まれるため{\mathbb{R}P^2}を固定しない. 問題は正20面体群と合わせたときに有限群を生成するかだが,

{\begin{align}
(\rho(\,(12345)\,)Q)^4=\begin{pmatrix}1&0&0\\0&1&0\\0&0&1\end{pmatrix}\\
\end{align}}

等が満たされる*1

 ここまでの結果をまとめる. 次の生成元によって{{\frak A}_6}の射影表現が決まる.

{\begin{gather}
\tilde{\rho}:{\frak A}_6\rightarrow PSL(3,\mathbb{C})\\
(123)\mapsto\begin{pmatrix}0&0&1\\1&0&0\\0&1&0\\\end{pmatrix},\ \ \ 
(12)(34)\mapsto\begin{pmatrix}-1&0&0\\0&-1&0\\0&0&1\\\end{pmatrix}\\
(12345)\mapsto\frac{1}{2}\begin{pmatrix}-\phi&\phi^{-1}&-1\\-\phi^{-1}&1&\phi\\
1&\phi&-\phi^{-1}
\end{pmatrix},\ \ \ 
(1234)(56)\mapsto\begin{pmatrix}0&0&-\omega^2\\0&1&0\\\omega&0&0\end{pmatrix}
\end{gather}}

 さて, これを{SL(3,\mathbb{C})}に持ち上げる, つまり{{\mathbb C}P^2}に作用する射影変換ではなく{\mathbb{C}^3}のベクトルに作用する線形変換に戻す. すると中心を{Z=\{1,\omega,\omega^2\}}(スカラー行列)に持ち, {{\mathcal V}/Z\cong {\frak A}_6}を満たす位数3×360=1080の群になる. これがヴァレンティナー群{{\mathcal V}}である*2. 1の原始3乗根のスカラー行列を含むことは,

{\begin{align}
\rho(\,(12)(34)\,)(\rho(\,(1234)(56)\,)\rho(\,(123)\,))^2=
\begin{pmatrix}\omega^2&0&0\\ 0&\omega^2&0\\ 0&0&\omega^2\end{pmatrix}
\end{align}}

などから確かめられる.


交代群の被覆群

{{\mathcal V}}は6次交代群の3重被覆に他ならない. しかし他の交代群では普通こういうことは起こらない. 6,7次以外の交代群には2重被覆しか存在しない. 6,7次交代群にのみ例外的に3重被覆が存在する.

https://en.wikipedia.org/wiki/Covering_groups_of_the_alternating_and_symmetric_groups

 このWikipediaの記事に書いてあることを鵜呑みにすることくらいしかできないが, Schurが対称群と交代群の射影表現を調べる過程でそれらの被覆群に関する主要な結果を得たらしい.


SU(3)の有限部分群

さて, うまく表現行列を選んだおかげで上で得たヴァレンティナー群の実現はユニタリ表現になっている. 当然だが行列式もすべて1なので{SU(3)}に入っている. つまり{SU(3)}の有限部分群なのである.

{SU(3)}素粒子物理学で果たす役割の大きさゆえか, {SU(3)}の有限部分群について書かれた論文はしばしば物理学に関連付けられていた.
Patrick Otto Ludl "The finite subgroups of SU(3)"
https://indico.desy.de/indico/event/5590/session/1/contribution/55/material/slides/0.pdf
Patrick Otto Ludl "Comments on the classification of the finite subgroups of SU(3)"
[1101.2308] Comments on the classification of the finite subgroups of SU(3)


 比較的分かりやすい無限系列, {SU(2)}{SO(3)}部分群に加えて, いくつかの例外群が含まれている. ヴァレンティナー群の他,

  • 5次交代群の次に大きな非可換単純群である{PSL(2,\mathbb{F}_7)}の忠実な3次元表現, 位数168.
  • {({\mathbb Z}/3{\mathbb Z})\rtimes SL(2,\mathbb{F}_3)}と記述されるHessian群. 位数216.

Michela Artebani, Igor Dolgachev "Hesse pencil of plane cubic curves" [math/0611590] The Hesse pencil of plane cubic curves


8次元表現

 {{\mathcal V}}の3次元ユニタリ表現が得られたので, ここから8次元表現を作ることができる. {8=3^2-1}. {SU(3)}の随伴表現である.

 まず{\mathfrak{su}(3)}{{\mathbb{R}^8}}基底を用意.ゲルマン行列.

{\begin{gather}
\lambda_1=\begin{pmatrix}0&1&0\\1&0&0\\0&0&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\lambda_2=\begin{pmatrix}0&-i&0\\i&0&0\\0&0&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\lambda_3=\begin{pmatrix}1&0&0\\0&-1&0\\0&0&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\lambda_4=\begin{pmatrix}0&0&1\\0&0&0\\1&0&0\end{pmatrix}\\
\lambda_5=\begin{pmatrix}0&0&-i\\0&0&0\\i&0&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\lambda_6=\begin{pmatrix}0&0&0\\0&0&1\\0&1&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\lambda_7=\begin{pmatrix}0&0&0\\0&0&-i\\0&i&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\lambda_8=\frac{1}{\sqrt{3}}\begin{pmatrix}1&0&0\\0&1&0\\0&0&-2\end{pmatrix},\ \ \ 
\end{gather}}

{\mathfrak{su}(3)}内積{\langle A,B\rangle=\frac{1}{2}{\rm Tr}(AB)}で定めるとこれらは正規直交基底をなす. {SU(3)}の8次元表現は

{\begin{align}
\rho_8 : SU(3)\rightarrow SO(8)\\
U\mapsto {\rm ad}(U)\\
{\rm ad}(U)X=UXU^{\dagger}
\end{align}}

行列要素は.

{\begin{align}
\rho_8(U)_{ij}=\frac{1}{2}{\rm Tr}(\lambda_iU\lambda_jU^\dagger)
\end{align}}

で決まる. ゲルマン行列が正規直交基底になるように内積を決めたので直交行列が得られる. これを有限部分群である{{\mathcal V}}に制限する. 核が{\{1,\omega,\omega^2\}}なので{{\mathcal V}}の忠実な表現ではなく, {{\frak A}_6}の忠実な表現になる. 生成元に対してその表現行列を書いてしまおう.

{\begin{gather}
\rho_8(\,(123)\,)=\begin{pmatrix}
0&0&0&1&0&0&0&0\\
0&0&0&0&-1&0&0&0\\
0&0&-1/2&0&0&0&0&-\sqrt{3}/2\\
0&0&0&0&0&1&0&0\\
0&0&0&0&0&0&-1&0\\
1&0&0&0&0&0&0&0\\
0&1&0&0&0&0&0&0\\
0&0&\sqrt{3}/2&0&0&0&0&-1/2
\end{pmatrix},\ \ \ 
\rho_8(\,(12)(34)\,)=
\begin{pmatrix}
1&0&0&0&0&0&0&0\\
0&1&0&0&0&0&0&0\\
0&0&1&0&0&0&0&0\\
0&0&0&-1&0&0&0&0\\
0&0&0&0&-1&0&0&0\\
0&0&0&0&0&-1&0&0\\
0&0&0&0&0&0&-1&0\\
0&0&0&0&0&0&0&1
\end{pmatrix}\\
\rho_8(\,(12345)\,)=\frac{1}{4}
\begin{pmatrix}-2&0&\phi^{-2}&-2&0&0&0&\sqrt{3}\,\phi\\
0&-2\phi^{-1}&0&0&-2\phi&0&2&0\\-\phi^{-2}&0&(3\phi\!-\!2)/2&\phi^2&0&-\sqrt{5}&0&\sqrt{3}\,\phi/2\\-2&0&-\phi^2&0&0&-2&0&-\sqrt{3}\,\phi^{-1}\\0&-2\phi&0&0&2&0&2\phi^{-1}&0\\0&0&-\sqrt{5}&2&0&2&0&\sqrt{3}\\
0&-2&0&0&-2\phi^{-1}&0&-2\phi&0\\-\sqrt{3}\,\phi&0&\sqrt{3}\,\phi/2&\sqrt{3}\,\phi^{-1}&0&\sqrt{3}&0&-(3\phi\!-\!2)/2
\end{pmatrix}\\
\rho_8(\,(1234)(56)\,)=\frac{1}{2}
\begin{pmatrix}
0&0&0&0&0&1&-\sqrt{3}&0\\0&0&0&0&0&-\sqrt{3}&-1&0\\
0&0&1&0&0&0&0&-\sqrt{3}\\0&0&0&1&\sqrt{3}&0&0&0\\
0&0&0&\sqrt{3}&-1&0&0&0\\-1&\sqrt{3}&0&0&0&0&0&0\\
\sqrt{3}&1&0&0&0&0&0&0\\0&0&-\sqrt{3}&0&0&0&0&-1
\end{pmatrix}
\end{gather}}

共役類の代表元はこれらに加えて単位行列, および次のふたつ.

{\begin{align}
\rho_8(\,(142)(356)\,)&=\frac{1}{4}\begin{pmatrix}-1&\sqrt{3}&\phi^{-2}&0&0&1&-\sqrt{3}&-\sqrt{3}\,\phi\\
\sqrt{3}\phi^{-1}&\phi^{-1}&0&\sqrt{3}&-1&\sqrt{3}\,\phi&\phi&0\\
\phi^{-2}/2&-\sqrt{3}\,\phi^{-2}/2&-(3\phi-2)/2&-\sqrt{5}&\sqrt{15}/2&\phi^2/2&-\sqrt{3}\,\phi^2/2&\sqrt{3}\,\phi/2\\
1&-\sqrt{3}&\phi^2&-1&-\sqrt{3}&0&0&-\sqrt{3}\,\phi^{-1}\\-\sqrt{3}\,\phi&-\phi&0&-\sqrt{3}\,\phi^{-1}&\phi^{-1}&\sqrt{3}&1&0\\
0&0&-\sqrt{5}&-1&-\sqrt{3}&-1&\sqrt{3}&-\sqrt{3}\\
\sqrt{3}&1&0&-\sqrt{3}\,\phi&\phi&\sqrt{3}\,\phi^{-1}&\phi^{-1}&0\\
\sqrt{3}\,\phi/2&-3\phi/2&-\sqrt{3}\,\phi/2&\sqrt{3}/2&3/2&\sqrt{3}\,\phi^{-1}/2&-3\phi^{-1}/2&-(3\phi-2)/2
\end{pmatrix}\\
\rho_8(\,(13524)\,)&=\frac{1}{4}\begin{pmatrix}
0&0&\sqrt{5}&2&0&2&0&-\sqrt{3}\\
0&2&0&0&-2\phi^{-1}&0&-2\phi&0\\-\sqrt{5}&0&1/2&\phi^{-2}&0&-\phi^2&0&-\sqrt{15}/2\\
2&0&-\phi^{-2}&-2&0&0&0&-\sqrt{3}\, \phi\\
0&-2\phi^{-1}&0&0&2\phi&0&-2&0\\-2&0&-\phi^2&0&0&2&0&2\phi^{-1}&0\\
0&2\phi&0&0&2&0&2\phi^{-1}&0\\
\sqrt{3}&0&-\sqrt{15}/2&\sqrt{3}\,\phi&0&-\sqrt{3}\,\phi^{-1}&0&-1/2
\end{pmatrix}
\end{align}}

{\phi=(1+\sqrt{5})/2}を含む式は{\phi^2=\phi,\phi^{-1}=\phi-1,\phi^{-2}=-(\phi-2)}等でなるべく少ない項で表しているが, ほんとうは{\phi}の一次の項だけが現れるように書ける*3.

 これで指標表を書ける.

{\begin{align}
\begin{array}{|c|ccccccc|} \hline
C&\lbrack 1^6\rbrack&\lbrack 1^33\rbrack&\lbrack 3^2\rbrack&
\lbrack 1^22^2\rbrack&\lbrack 24\rbrack&\lbrack 15\rbrack_1&\lbrack 15\rbrack_2
\\ \hline |C|&1&40&40&
45& 90&72&72
\\ \hline
{\mbox 代表元} &()&(123)&(142)(356)&(12)(34)&(1234)(56)&(13524)&(12345)\\ \hline
{\bf 8}{\rm I}&8&-1&-1&0&0&\phi&-\phi^{-1}\\
{\bf 8}{\rm I\!I}&8&-1&-1&0&0&-\phi^{-1}&\phi\\ \hline
\end{array}
\end{align}}

{{\bf 8}{\rm I}}表現が今得た表現{\rho_8}そのもので, {{\bf 8}{\rm II}}表現は任意にとった奇置換ひとつの共役による作用の外部自己同型写像との合成. 既約性もこの表から確かめられる.

 ところで, こうして{SO(8)}に表現をとれたことで八元数によって更に{SO(8)}内に2重被覆の表現を作ることができる. トライアリティ―.
「トライアリティー」(八元数SF) - Shironetsu Blog

が, ちょっと手に負えないほど計算が大変なので次の機会に回す. 例外的な交代群が8次元空間に住んでいるというのはかなり意味深な気がするのでこのあたりはいずれ追究したい.


6次対称群の16次元表現.

{{\frak S}_6={\frak A}_6\rtimes{\mathbb Z}/2{\mathbb Z}}

から, すぐに6次対称群の表現をつくることができる. 具体的には適当に位数2の奇置換, たとえば{(12)}をとったとき, 任意の奇置換{\sigma}に対して{\sigma(12)}は偶置換であるが,

{\begin{align}
\rho_{16}(\sigma)=\left\{\begin{array}{cl}
\begin{pmatrix}\rho_8(\sigma)&0\\0&\rho_8(\,(12)\sigma(12)\,)\end{pmatrix}\ \ \ 
&{\rm for }\ \sigma\in{\frak A}_6\\
\begin{pmatrix}0&\rho_8(\sigma(12)\,)\\\rho(\,(12)\sigma)&0\end{pmatrix}\ \ \ &{\rm for }\ \sigma\in{\frak S}_6\backslash{\frak A}_6\\
\end{array}\right.
\end{align}}

とすれば正しく表現になる. 指標をがどうなるか考えるとすぐに分かるようにこれは既約表現.


まとめとこれから

 ヴァレンティナー群という幾何学的意味が明瞭な対象を介して, 6次交代群の8次元表現, 及び6次対称群の16次元表現の素性がよりよく理解できた. 8次元には変なものがいろいろ棲んでいるのでもう少しそのあたりも突き止めたい.

 次に考えるとすれば7次交代群の前にPSL(2,7)だろうか. ちょっと調べるだけでも途方もなく深い数学が広がっていることが分かるが, まずは線形表現から考えてみたい.


リファレンス

[1]関口次郎 "正面体群からの旅たち" http://www.math.chuo-u.ac.jp/ENCwMATH/51/ewm51_Sekiguchi1.pdf
[2]Scott Crass "Solving the sextic by iteration: A study in complex geometry and dynamics" https://arxiv.org/abs/math/9903111
[3]Crespo, T., & Zbigniew Hajto. (2005). The Valentiner Group as Galois Group. Proceedings of the American Mathematical Society, 133(1), 51-56. Retrieved from http://www.jstor.org/stable/4097824
[4]大渕 朗 "ガロア点と自己同型について" http://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/fsakai/Ohbuchi2013.pdf
[5]http://pantodon.shinshu-u.ac.jp/topology/literature/finite_subgroup_of_Lie_group.html

*1:が, これではたぶん何も言えていない. ヴァレンティナー群の表示について明確に述べていないのは逃げである.

*2:Wikipedia的にはこれが定義だが, [1]は6次交代群に同型な複素射影変換のなす群をヴァレンティナー群としている. ちょっと悩ましい.

*3:というか計算機上ではそうしている. ノウハウの共有ともっとうまい方法の教えを乞うためにMaxima上で実際にやったことを書くと, 変数{\phi}を含む式に対してdivide関数で{\phi^2-\phi-1}の剰余を求めることで計算している.

6次対称群指標表手作り体験記

はじめに

定理:対称群の自己同型群

{n\geq 3}に対して*1,

{\begin{align}
{\rm Aut}({\frak S}_n)\cong \left\{\begin{array}{cc}
{\frak S}_n&(n\neq6)\\
{\frak S}_6\rtimes{ \mathbb Z}/2{\mathbb Z}&(n=6)
\end{array}\right.
\end{align}}

6次の対称群{\frak{S}_6}は異常な性質を有している. 対称群の中で唯一外部自己同型写像が存在するのである(自分はこの事実を次の講義ノートで知った. 物理数学III (2017) )

引用を含む引用になるが,

このような例外的な同型対応が,交代群 {A_6} のところに集中して現れていること

{
A_6\cong L_2(9)\cong S_4(2)'\cong M_{10}'
}

は注目すべきことである。この群は,この性質故に(小さい群であることももちろんあるだろうが),様々な場面で出くわすものである。{A_6} を見るたびに,鈴木通夫先生の「群論」[1]の一節({{\rm Aut}\cong A_6\neq S_6} を受けて)

この例外が有限群論に及ぼす影響は非常に大きく,単純群論をとても困難なものにしている大きな理由の一つである

を思い出すものである。例外的な自己同型があるため,{A_6} を指数2で含む群として,

{S_6,\ PGL(2,9),\ M_{10}}

という3つが存在しうるのである。

らしい[2]. なお「このような例外的な同型対応」はその前段で述べられている, 異なる系列の有限単純群間の同型対応を指している.

 念のため注意しておくと, この引用を除いて本記事中では対称群と交代群には{\frak{S},\frak{A}}(フラクトゥールのSとA)を当てる. 後々の記号の衝突を避けるため.

 さて, 本記事ではこの{\frak{S}_6}の既約ユニタリ表現を求めることを目的にしている.

 対称群の既約表現の理論は非常によく整えられており, 既約指標も表現行列もそれを求めてしまう一般的な方法が存在する[3,4]. しかしちょっと味気ない. できれば既約表現それぞれの個性を感じたい.

 とはいえ道標はあったほうが良いので指標表は先に載せてしまおう. 一般論を知らなくても, 簡単に求められる5次元既約表現の直積表現の分解(既約指標の直交性を利用しながら. 対称群の指標は一般に整数に限られることも利用できる)から他の既約表現の指標も出てくる.

{\begin{align}
\begin{array}{|c|ccccccccccc|}\hline
{\mbox 共役類}|C|&\lbrack1^6\rbrack&\lbrack1^33\rbrack&\lbrack3^2\rbrack&\lbrack1^22^2\rbrack&
\lbrack15\rbrack&\lbrack24\rbrack&\lbrack1^42\rbrack&\lbrack2^3\rbrack&\lbrack1^24\rbrack&
\lbrack123\rbrack&\lbrack6\rbrack\\ \hline
{|C|}&
1&40&40&45&144&90&15&15&90&120&120\\ \hline
{\bf 1}&
1&1&1&1&1&1&1&1&1&1&1\\
{\bf 1}'&
1&1&1&1&1&1&-1&-1&-1&-1&-1\\
{\bf 5}{\rm I}&
5&2&-1&1&0&-1&3&-1&1&0&-1
\\
{\bf 5}{\rm I}'&
5&2&-1&1&0&-1&-3&1&-1&0&1\\
{\bf 5}{\rm I\hspace{-.1em}I}&
5&-1&2&1&0&-1&-1&3&1&-1&0\\
{\bf 5}{\rm I\hspace{-.1em}I}'&
5&-1&2&1&0&-1&1&-3&-1&1&0\\
{\bf 9}&
9&0&0&1&-1&1&3&3&-1&0&0\\
{\bf 9}'&
9&0&0&1&-1&1&-3&-3&1&0&0\\
{\bf 10}&
10&1&1&-2&0&0&2&-2&0&-1&1\\
{\bf 10}'&
10&1&1&-2&0&0&-2&2&0&1&-1\\
{\bf 16}&
16&-2&-2&0&1&0&0&0&0&0&0 \\ \hline
\end{array}
\end{align}}

 各既約表現は次元のボールド体と付加的な記号(I,II,プライム)によって区別する.

 {\frak{S}_6}に関する基本的な事実. 6の分割は11通り.

{\begin{align}
\lbrack 1,1,1,1,1,1\rbrack,\lbrack1,1,1,1,2\rbrack,\lbrack1,1,1,3\rbrack,\lbrack1,1,2,2\rbrack,\lbrack1,1,4\rbrack,\lbrack1,2,3\rbrack,\lbrack2,2,2\rbrack,\lbrack1,5\rbrack,\lbrack2,4\rbrack,\lbrack3,3\rbrack,
\end{align}}

それぞれ

{\begin{align}
\lbrack 1^6\rbrack,\lbrack1^42\rbrack,\lbrack1^33\rbrack,\lbrack1^22^2\rbrack,\lbrack1^24\rbrack,\lbrack123\rbrack,\lbrack2^3\rbrack,\lbrack15\rbrack,\lbrack24\rbrack,\lbrack3^2\rbrack,
\end{align}}

と略記. 各分割に置換の型が対応し, 同時に共役類にも対応するのでこれらを同じ記号で表す.

 既約表現は共役類の数に等しく11個. 各共役類の大きさ, 符号は表に書かれている通り. ヤング図形についてはほとんど触れないが, 既約表現の次元は対応する分割のヤング図形の標準盤の数に等しいことを述べておく[3,5].

 ここから各既約表現を見ていく.

6次対称群のユニタリ既約表現

1表現

 自明な表現. 恒等表現.

1'表現

 符号表現. 正規部分群{\frak{A}_6}による{\{1,-1\}}への準同型写像.

 他に正規部分群は存在しないため, 2つの1次元表現を除いて他の既約表現はすべて忠実(シューアの補題). {\frak{S}_n}の生成元:隣接互換{s_i=(i,i+1)\ (1\leq i \leq n-1)}の関係

{\begin{align}
s_i^2&=1\\
s_is_{i+1}s_i&=s_{i+1}s_{i}s_{i+1}\ \ \ (1\leq i \leq n-2)\\
s_is_j&=s_js_i\ \ \ (|i-j|\geq 2)
\end{align}}

が成立するように生成元の行き先を決めれば表現も決まる. 他の共役類の代表元も計算して指標の既約性をチェックすればよい.

5I表現

 {(1,1,1,1,1,1)}の直交補空間に対する{6\times 6}置換行列の作用. {n}次対称群に対していつでも同じ方法で{(n-1)}次元既約表現が得られる. 指標は

{\sigma \in\frak{S}_n=\left\{\sigma\mid \sigma :\{1,2,\cdots, n\}\rightarrow\{1,2,\cdots,n\}\right\}}

の(固定点の数)-1. より簡潔には, {A_n}型ルート系のワイル群が{\frak{S}_{n+1}}になることから {n}次元ユークリッド空間の鏡映群として実現される表現と言える.

f:id:shironetsu:20180701165209p:plain:w300
{A_5}のコクセター図形.

{A_5}の単純ルートは5次元ユークリッド空間中に

{\begin{gather}
\alpha_1=\left(1,0,0,0,0\right),\ \ \ 
\alpha_2=\left(-\frac{1}{2},\frac{\sqrt{3}}{2},0,0,0\right),\ \ \ 
\alpha_3=\left(0,-\sqrt{\frac{1}{3}},\sqrt{\frac{2}{3}},0,0\right)\\
\alpha_4=\left(0,0,-\sqrt{\frac{3}{8}},\sqrt{\frac{5}{8}},0\right),\ \ \ 
\alpha_5=\left(0,0,0,-\sqrt{\frac{2}{5}},\sqrt{\frac{3}{5}}\right)
\end{gather}}

と取れるが,

{
R_i : x\mapsto x-2(\alpha_i,x)\alpha_i
}

と定めると{s_i\mapsto R_i}が忠実な表現になる.

5I'表現

{\rho_{{\bf 5}{\rm I}'} : \sigma\mapsto {\rm sgn}(\sigma)\rho_{{\bf 5}{\rm I}}(\sigma)}

つまり{{\bf 5}{\rm I}}表現の奇置換を{(-1)}倍した表現. 同様の方法でいつも既約表現が得られるが, これはヤング図形の転置に対応している.

5II表現

{\begin{align}
\begin{array}{|c|ccccccccccc|}\hline
{\mbox 共役類}|C|&\lbrack1^6\rbrack&\lbrack1^33\rbrack&\lbrack3^2\rbrack&\lbrack1^22^2\rbrack&
\lbrack15\rbrack&\lbrack24\rbrack&\lbrack1^42\rbrack&\lbrack2^3\rbrack&\lbrack1^24\rbrack&
\lbrack123\rbrack&\lbrack6\rbrack\\ \hline
{\bf 5}{\rm I}&
5&2&-1&1&0&-1&3&-1&1&0&-1\\
{\bf 5}{\rm I\hspace{-.1em}I}&
5&-1&2&1&0&-1&-1&3&1&-1&0\\ \hline
\end{array}
\end{align}}

 指標表を見ると, {{\bf 5}{\rm I}}表現の指標を入れ替えたものになっている. 察しの通り, {{\bf 5}{\rm I}}表現と外部自己同型写像の合成によって構成できる. すなわち,

{\begin{gather}
\rho_{{\bf 5}{\rm I\!I}} : 
\sigma \mapsto \rho_{{\bf 5}{\rm I}}(\varphi(\sigma))\\
\varphi \in {\rm Aut}(\frak{S}_6)\backslash {\rm Inn}(\frak{S}_6)
\end{gather}}

6次対称群の外部自己同型写像

 さて, 上で概略だけ述べたこの外部自己同型写像について詳しく見る.
結論を書いてしまうと, 生成元たちを次のように移せばこれが外部同型写像のひとつになっている.

{\begin{align}
(12)&\mapsto (12)(34)(56)\\
(23)&\mapsto (15)(23)(46)\\
(34)&\mapsto (12)(36)(45)\\
(45)&\mapsto (14)(23)(56)\\
(56)&\mapsto (12)(35)(46)
\end{align}}

存在さえ知っていれば「発見」するのは割と簡単で, 上にあげた隣接互換の関係式を満たすようにうまく互換を組み合わせてやればよい.

他の外部自己同型写像はこれと共役による作用の合成のみ. ゆえに外部自己同型群は

{
{\rm Out}({\frak S}_6)=\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}
}

対称群において内部自己同型写像は置換の型を変えないが, 外部自己同型写像は置換の型を変える. この入れ替わりが起こるのは以下の3組.

{
\lbrack1^42\rbrack\leftrightarrow\lbrack2^3\rbrack,\ \ \ 
\lbrack123\rbrack\leftrightarrow\lbrack6\rbrack,\ \ \ 
\lbrack1^33\rbrack\leftrightarrow\lbrack3^2\rbrack
}

他の置換の型は変わらない. 指標表を見ると確かにそうなっている.

 これで指標表を書く方法は得たことになるがもう少し.
 {\frak{S}_n\ (n\neq6)}に外部自己同型写像が存在しない理由はそれほど難しくなく,生成元を含む互換{\lbrack 1^{n-2}2\rbrack}型の置換と, 同じく位数2の互換でない置換{\lbrack1^{n-2k}2^k\rbrack(2\leq k\leq \lfloor n/2\rfloor )}との数が一致することがないため.より詳しくは次の解説を参照.

ノート:6次対称群S6 の外部自己同型写像.
http://www2u.biglobe.ne.jp/~nuida/m/doc/OutS6_ja.pdf

 6次対称群に外部自己同型写像が存在する「理由」となると非常に深く, 色々と解説がある. 先にあげた物理数学III講義ノートに加えて, John Baezによる次の解説が参考になる.

"Some Thoughts on the Number 6"
http://math.ucr.edu/home/baez/six.html

 ここにも登場する正20面体とGreg Egan.
 前半の要点を大雑把に説明する.

  • 正20面体の中心を通る対角線が6本.

1,2,3,4,5,6

  • 異なる2つの対角線の対duadが15個.

(1,2),(1,3),...,(5,6)

  • 互いに重複する対角線を含まないduadの3つ組 synthemeが15個.

(1,2)(3,4)(5,6), (1,2)(3,5)(4,6),...(1,6)(4,5)(2,3)

  • 互いに重複するduadを含まないsynthemeの5つ組synthmatic totalが6個.

A:\{(1,2)(3,4)(5,6),(1,3)(2,5)(4,6),(1,4)(2,6)(3,5),(1,5)(2,4)(3,6),(1,6)(2,3)(4,5)\},
B:\{(1,2)(3,4)(5,6),(1,3)(2,6)(4,5),(1,4)(2,5)(3,6),(1,5)(2,3)(4,6),(1,6)(2,4)(3,5)\},
C:.., D:..., E:..., F:...
対角線1,2,3,4,5,6の置換はsynthematic total A,B,C,D,E,Fの置換も引き起こすが,
A→1,B→2,C→3,D→4,E→5,F→6の同一視で外部自己同型写像になる.

 3つのduadの張る平面が直交するsynthemeのうちの5つ:true crossが正20面体の回転に伴って置換されることは, 正20面体が5次対称群の正規部分群に同型になることの自然な説明にもなる.

 あとで利用しない(できなかった)のでここで触れておくと, 例外的な同型{\mathfrak{S}_6\cong Sp(4,\mathbb{F}_2)}(有限体{\mathbb{F}_2}上の4×4シンプレクティック行列のなす群)も, {\mathbb{F}_2}上のベクトルとduadたちの同一視によって説明されている.

 「理由」の説明を突き詰めるのはなかなか難しいが, 正20面体や{E_8}という例外的な構造を成立させている「何か」が姿を変えて有限群論にも現れているように感じられて面白い.

5II'表現

{{\bf 5}{\rm I\!I}}表現と符号表現の積.

9表現

{\begin{align}
\begin{array}{|c|ccccccccccc|}\hline
{\mbox 共役類}|C|&\lbrack1^6\rbrack&\lbrack1^33\rbrack&\lbrack3^2\rbrack&\lbrack1^22^2\rbrack&
\lbrack15\rbrack&\lbrack24\rbrack&\lbrack1^42\rbrack&\lbrack2^3\rbrack&\lbrack1^24\rbrack&
\lbrack123\rbrack&\lbrack6\rbrack\\ \hline
{|C|}&
1&40&40&45&144&90&15&15&90&120&120\\ \hline
{\bf 9}&
9&0&0&1&-1&1&3&3&-1&0&0\\ \hline
\end{array}
\end{align}}

 指標表を見ると全て(-1)以上の整数になっている. 1を加えれば自然数. {\frak{S}_{10}}の9次元表現に埋め込めるのではないかと期待できて実際そうなっている. 自分がこれに気付いたのも指標表の観察からだった.

 その前に

{{\frak A}_6\cong PSL(2,\mathbb{F}_9)}

の同型に言及しておこう.{\mathbb{F}_9}上の正則2×2行列は{\mathbb{F}_9}上の10個の射影直線に置換として作用するが, これらを定数倍の違いを除いて同一視すると6次交代群と同型になる. 実は6次対称群も10次対称群に埋め込むことができる.
生成元たちを次のように移せば単射準同型写像になる.

{\begin{align}\\
\frak{S}_6&\hookrightarrow\frak{S}_{10}\\
(12)&\mapsto(12)(34)(56)\\
(23)&\mapsto(17)(38)(59)\\
(34)&\mapsto(14)(23)(9\,10)\\
(45)&\mapsto(15)(26)(79)\\
(56)&\mapsto(13)(24)(78)
\end{align}}

これによって共役類は次のように移る

{\begin{align}
\lbrack1^6\rbrack&\rightarrow\lbrack1^{10}\rbrack\\
\lbrack1^33\rbrack,\lbrack3^2\rbrack&\rightarrow\lbrack13^3\rbrack\\
\lbrack1^22^2\rbrack&\rightarrow\lbrack1^22^4\rbrack\\
\lbrack15\rbrack&\rightarrow\lbrack5^2\rbrack\\
\lbrack24\rbrack&\rightarrow\lbrack1^2 4^2\rbrack\\
\lbrack1^42\rbrack,\lbrack2^3\rbrack&\rightarrow\lbrack1^42^3\rbrack\\
\lbrack1^24\rbrack&\rightarrow\lbrack24^2\rbrack\\
\lbrack123\rbrack,\lbrack6\rbrack&\rightarrow\lbrack 136\rbrack\\ %?
\end{align}}

確かに固定点-1が指標になっている. 外部自己同型で移り合う共役類が同じ共役類に移っていることに注意.

 この事実に関してはこれ以上の解説を加えることができない. 一般に対称群{{\frak S}_n}

  • {k}点の固定化部分群として{{\frak S}_{n-k}}
  • 大きさ{d}の共役類への作用で{{\frak S}_d}

埋め込めるが, そうでない非自明な埋め込み(embedding)が存在することがある. {{\frak S}_6}の1点の固定化部分群に外部自己同型を合成すると{{\frak S}_5\hookrightarrow{\frak S}_6}の非自明な埋め込みになるのもそう. こういった事実に関する統一的な理論を自分は知らない.

9'表現

{{\bf 9}}表現と符号表現の積.

10表現

{10=5\cdot4/2}. {{\bf 5}{\rm I}}表現の反対称テンソル積である.

{\begin{align}
\rho_{\bf 10}:\sigma\in{\frak S}_6\mapsto \wedge^2\rho_{{\bf 5}{\rm I}}(\sigma)
\end{align}}

一般に反対称表現の指標は

{\begin{align}
\chi_{\wedge^2 \rho}(\sigma)=\frac{1}{2}\left(\chi_{\rho}(\sigma)^2-\chi_{\rho}(\sigma^2)\right)
\end{align}}

から求められる. 表現行列を具体的に構成するなら, 5×5反対称行列に対して{A_5}鏡映群の行列を共役によって作用させるとよい. 内積{(A,B)=-{\rm Tr}(A^TB)}によって定めれば直交変換になっている.

10'表現

{{\bf 10}'}表現と符号表現の積. あるいは{10=5\cdot4/2}. {{\bf 5}{\rm I\!I}}表現の反対称テンソル積である. 9次元表現とは異なり,外部自己同型写像との合成で非同値な既約表現になる.

16表現

 「体験記」なので正直に書くと, これを構成する方法がなかなか思いつかなかった. そのせいで最初に6次対称群の表現をテーマに記事を書こうと思い始めてからずいぶん時間がかかってしまった.

 この既約表現を含む直積表現をつくるのは簡単. {{\bf 5}{\rm I}}表現と{{\bf 5}{\rm I\!I}}表現のテンソル積は{{\bf 9}'}表現と{{\bf 16}}表現の直和になっている.

 また, 次の事実が分かる.

 {{\frak S}_6}の既約表現の{{\frak A}_6}への制限は{{\frak A}_6}の表現になるが, {{\bf 16}}表現のみが完全可約(他は既約)であり, 2つの8次元既約表現に分岐する. 指標表は以下.

{\begin{align} \begin{array}{|c|ccccccc|} \hline
C&\lbrack 1^6\rbrack&\lbrack 1^33\rbrack&\lbrack 3^2\rbrack&
\lbrack 1^22^2\rbrack&\lbrack 24\rbrack&\lbrack 15\rbrack_1&\lbrack 15\rbrack_2
\\ \hline  |C|&1&40&40&
45& 90&72&72
\\ \hline
{\bf 8}{\rm I}&8&-1&-1&0&0&\phi&-\phi^{-1}\\
{\bf 8}{\rm I\!I}&8&-1&-1&0&0&-\phi^{-1}&\phi\\ \hline
\end{array}\\
\phi=(1+\sqrt{5})/2
\end{align}}

共役類の{\lbrack15\rbrack_1,\lbrack15\rbrack_2}はそれぞれ代表元として{(12345),(13524)}をもつ.これらは{\frak{S}_6}の元として奇置換の共役による作用によって移り合うが, {\frak{A}_6}においてはこれは外部自己同型写像である

 この6次交代群の8次元既約表現(どちらでも)を用いた誘導表現が6次対称群の16次元表現になる...ということは分かるが具体的に構成できていない.

 しかし{\phi}が出てくることといい8次元になることといいいかにも意味深ではないか.これに幾何学的な意味づけを何とか与えたいところである.

 ところで{{\mathfrak A}_6}にはValentiner群という3重被覆が存在して3次元複素既約表現を持つ.
Valentiner group - Wikipedia
{{\mathfrak A}_5}が複素射影平面{\mathbb{C}P^1}に作用するように, このValentiner群によって{{\mathfrak A}_6}{\mathbb{C}P^2}に作用する.

 これを利用したいところだが,いったんあきらめて次のように16次元表現を作る.

クリフォード代数

 基底を

{\begin{gather}
1,e_1,e_2,\cdots,e_n,e_1e_2,e_1e_2,\cdots e_{n-1}e_n,\cdots,e_1e_2\cdots e_n
\end{gather}}

とする{2^n}次元{\mathbb{R}}ベクトル空間に積が

{\begin{align}
e_i^2&=-1\\
e_ie_j&=-e_je_i\ \ \ (i\neq j)
\end{align}}

によって定められている. クリフォード代数である. {e_1,e_2,\cdots e_n}の張る{n}次元空間をユークリッド空間と同一視すると, 内積

{\begin{align}
(x,y)=-\frac{1}{2}(xy+yx)\ \ \ (x,y\in\mathbb{R}^n)
\end{align}}

と表せる. {\alpha\in{\mathbb R}^n\ \ \ |\alpha|=1}に直交する超平面に関する鏡映は

{\begin{align}
R(\alpha):x\mapsto x-2(\alpha,x)\alpha=-\alpha x\alpha^{-1}
\end{align}}

これにより,{n=5}のとき生成元に対して単純ルート(具体的には{{\bf 5}}表現の構成に使ったものと同じ)によって

{\begin{align}
s_i\mapsto -R(\alpha_i):x\mapsto \alpha_i x\alpha_i^{-1}\ \ \ (i=1,2,3,4,5)
\end{align}}

と対応付けると,{{\bf 5}'}表現と同値になる.

 ところで, クリフォード代数上で

{\alpha_i\ \ \ (i=1,2,3,4,5)}

は積によって群を生成する. これを{2.{\frak S}_6}とする. {2.{\frak S}_6}は中心{Z=\{1,-1\}}で割ると{\frak{S}_6}と同型.{2.{\frak S}_6/Z\cong \frak{S}_6}. この準同型写像{f}による{\sigma\in{\frak S}_6}の逆像は全て

{\begin{align}
f^{-1}(\sigma)=\{g,-g\}\ \ \ g\in 2.{\frak S}_6
\end{align}}

の形をしている. {\varphi\in{\rm Aut}({\frak S}_6)\backslash{\rm Inn}({\frak S}_6)}を介して

{f^{-1}\left(\varphi(f\{g,-g\})\right)=\{g',-g'\}}

となったとき, うまく{\pm g}{\pm g'}を1対1対応させることで{2.{\frak S}_6}の自己同型写像になるかというとそうはならない. しかし生成元に対して

{\{\beta_k,-\beta_k\}=f^{-1}\left(\varphi(f\{\alpha_k,-\alpha_k\})\right)}

であるとき, {\pm \alpha_k}{\pm \sqrt{-1}\beta_k}を対応させると(なぜか)同型な群ができる. {\pm \sqrt{-1}\beta_k}は(虚数係数であるため)もはやもとのクリフォード代数の元ではないが, {e_1e_2e_3e_4e_5}は全ての元と可換かつ2乗すると{-1}になるので{\sqrt{-1}}と等価なのでこれと同一視すればよい.

 これを行列で表現する. パウリ行列は

{\begin{align}
\sigma_1=\begin{pmatrix}
0&1\\
1&0
\end{pmatrix},\ \ \ 
\sigma_2=\begin{pmatrix}
0&-\sqrt{-1}\\
\sqrt{-1}&0
\end{pmatrix},\ \ \ 
\sigma_3=\begin{pmatrix}
1&0\\
0&-1
\end{pmatrix}
\end{align}}

これを使うと

{\begin{align}
e_1&\mapsto \sqrt{-1}\,\sigma_1\otimes{\bf 1}_2\\
e_2&\mapsto \sqrt{-1}\,\sigma_2\otimes\sigma_1\\
e_3&\mapsto \sqrt{-1}\,\sigma_2\otimes\sigma_2\\
e_4&\mapsto \sqrt{-1}\,\sigma_2\otimes\sigma_3\\
e_5&\mapsto \sqrt{-1}\,\sigma_3\otimes{\bf 1}_2\\
\end{align}}

からクリフォード代数の忠実な表現ができる. 4次元複素表現である. ここで{2.{\frak S}_6}の生成元に対してたとえば

{\begin{align}
\psi: \alpha_1&\mapsto -\sqrt{-1}\,\alpha_1\alpha_3\alpha_5\\
\alpha_2&\mapsto\sqrt{-1}\,\alpha_1\alpha_2\alpha_4\alpha_1\alpha_3\alpha_5\alpha_2\alpha_4\alpha_1\\
\alpha_3&\mapsto\sqrt{-1}\,\alpha_1\alpha_3\alpha_4\alpha_3\alpha_5\alpha_4\alpha_3\\
\alpha_4&\mapsto\sqrt{-1}\,\alpha_5\alpha_3\alpha_2\alpha_3\alpha_1\alpha_2\alpha_3\\
\alpha_5&\mapsto-\sqrt{-1}\,\alpha_1\alpha_4\alpha_3\alpha_5\alpha_4
\end{align}}

とすると{2.{\frak S}_6\cong \psi(2.{\frak S}_6)}になる. そして,

{\begin{align}
\rho_{\bf 16}:s_i\mapsto \alpha_i\otimes\psi(\alpha_i)\ \ \ (i=1,2,3,4,5)
\end{align}}

とすると, これが所望の16次元ユニタリ既約表現になっている. 不思議なことに.

 この事実を使った指標表の計算は完全に数式処理ソフトに頼った.確かに16次元表現の指標表を再現する.

 正直構成法としてあまり理想的ではないが,16という数の由来について多少なりとも自然な意味づけを与えられているとは思う. {16=4^2}. しかし射影表現についてはもっと知る必要があることを感じている.

まとめ

本記事では6次対称群の既約表現すべての構成法を与えた. 指標表を見るだけでもこの群の性質が色々と見えてきて面白い. 無限系列の低次の常として7次対称群や8次対称群にも例外的な同型があったりするのでいずれそれも調べたい.

追記(7/8)

ヴァレンティナー群から6次交代群の8次元表現をつくる方法が分かった. 次の記事を参照.

shironetsu.hatenadiary.com

リファレンス

[1]鈴木通夫『群論 上』(岩波書店, 1977年)
[2]北詰正顕「散在型単純群の周辺」http://mathsoc.jp/section/algebra/algsymp_past/algsymp08_files/kitazume.pdf
[3]岩堀長慶『対称群と一般線形群の表現論』(岩波書店, 1978年)
[4]犬井鉄郎, 田辺行人, 小野寺嘉考『応用群論 -群表現と物理学- (増補版)』(裳華房, 1980年)
[5]堀田良之『加群十話 -代数学入門-』(朝倉書店, 1988年)
[6]ATLAS: Alternating group A6, Linear group L2(9), Symplectic group S4(2)', Mathieu group M10'
[7]ATLAS: Alternating group A6

*1:7/8追記. うっかり忘れていた. n=2ではもちろん自己同型群は自明な群.

球面調和関数で正20面体をつくる(5) - クラインの不変式論

再びSU(2)

 {SU(2)}の扱いやすさの理由のひとつは, 2変数斉次多項式の張る線形空間が次数ごとに既約表現空間になっていて, 逆に既約表現はそれで尽くされるからだった.

 より正しく言うと, {\mathbb{C}}上の2変数多項式環{\mathbb{C}\lbrack z_1,z_2\rbrack}の元{f(z_1,z_2)}に対して,

{\begin{align}
D=\begin{pmatrix}a&-b^*\\ b&a^*\end{pmatrix}\in SU(2)
\end{align}}

の作用を

{\begin{align}
\rho(D)f(z_1,z_2)&=f((z_1,z_2)D)\\
&=f(az_1+bz_2,\ -b^*z_1+a^*z_2)
\end{align}}

 で定めると, {\rho}は表現になるが, {z_1,z_2}について{2j}次({j=0,\ 1/2,\ 1,\ 3/2,\cdots})の斉次多項式の全体が最高ウェイト{j}の既約表現空間になり, {SU(2)}の既約表現はそのいずれかに同値になるということ.

 正規直交基底を

{\begin{align}
e^{\,j}_m(z_1,z_2)=\frac{z_1^{j+m}z_2^{j-m}}{\sqrt{(j+m)!(j-m)!}}
\end{align}}

 と取ることでエルミート内積を定めると, 表現行列;ウィグナーのD行列はユニタリ行列になる.

 これにより正20面体群不変な球面上の関数を構成する問題が, 2変数多項式環上の2項正20面体群の不変式環を定める問題に還元される.


不変式

 少なくともシュワルツ Karl Hermann Amandus Schwarzは2項正20面体群の不変式を既に求めていたらしい[1]. まず正20面体の頂点, 面の重心, 辺の中点を単位球面上に投影する. 1次分数変換として実現される2項正20面体群の作用によって各々の全体は不変である. 次に立体射影によってリーマン球面, 複素射影直線{\mathbb{C}P^1}上の点にそれらを対応付ける. {\mathbb{C}P^1}上の斉次座標で表される多項式で, その複素平面上の点たちを零点にもつものは2項正20面体群の作用によって不変になる.

 クライン Felix Kleinが気付いたのは, 頂点に対応する不変式さえ直接求めれば残り2つは簡単に決められることだった[1].

 シュワルツ・クラインと同じようにリーマン球面の斉次座標の多項式として議論してもよいが, 我々はスピノルを知っているのでその形式で考えることにする. 本質的には全く同じ.

SU(2)スピノ

 まず{SU(2)}の単位スピノルは,

{\begin{align}
{\boldsymbol \psi}=\begin{pmatrix}\psi_1\\\psi_2\end{pmatrix}\\  |\psi_1|^2+|\psi_2|^2=1
\end{align}}

である. パウリ行列

{\begin{align}
\sigma_1=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\sigma_2=\begin{pmatrix}0&-i\\i&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\sigma_3=\begin{pmatrix}1&0\\0&-1\end{pmatrix}
\end{align}}

を用いて3つの実数

{
\begin{gather}
x_k(\boldsymbol{\psi})={\boldsymbol \psi}^\dagger \sigma_k {\boldsymbol \psi}\ \ \ (k=1,2,3)\\
x_1=\psi_1^*\psi_2+\psi_2^*\psi_1,\ \ \ 
x_2=-i\psi_1^*\psi_2+i\psi_2^*\psi_1,\ \ \ 
x_3=|\psi_1|^2-|\psi_2|^2
\end{gather}
}

を定めると,

{\begin{align}
x_k(D^{-1}\boldsymbol{\psi})&={\boldsymbol \psi}^\dagger D \sigma_k D^{-1}{\boldsymbol \psi}\\
&=\sum_{k'=1,2,3} O(D)_{kk'}\, x_{k'}(\boldsymbol{\psi})\\
O(D)&\in SO(3)
\end{align}}

によって{SU(2)\rightarrow SO(3)}準同型写像ができる. 再三利用している事実だがその対応関係は2:1.

 今具体形が欲しいのはスピノルのほう. {\boldsymbol{\psi}}は3つのパラメーターによって表せる:

{\begin{align}
\psi_1&=\cos\frac{\beta}{2}\exp\left(-i\frac{\alpha+\gamma}{2}\right)\\
\psi_2&=\sin\frac{\beta}{2}\exp\left(i\frac{\alpha-\gamma}{2}\right)
\end{align}}

 一方, 単位球面上の点{(x_1,x_2,x_3)\in \mathbb{S}^2}

{\begin{align}
x_1&=\cos\alpha\sin\beta\\
x_2&=\sin\alpha\sin\beta\\
x_3&=\cos\beta
\end{align}}

{\gamma}によらない. 単位スピノ{\boldsymbol{\psi}}の全体に対する{U(1)}の作用の剰余類が{\boldsymbol{x}}と一対一に対応, つまり「位相の差を除いて一対一」である.

 代表元として{\gamma=-\alpha}とおいたものを取る. 依然符号の不定性が残るが, {x_k(\boldsymbol{\psi})}の逆像の代表元を次のようにとることにする.

{\begin{align}
\psi_1(\boldsymbol{x})&=\sqrt{\frac{1+x_3}{2}}\\
\psi_2(\boldsymbol{x})&=\frac{x_1+ix_2}{\sqrt{2(1+x_3)}}
\end{align}}

ただし{x_3=-1}のときは{\psi_1=0,\psi_1=1}と定める.

正20面体の12個の頂点

 正20面体の12個の頂点は次のようにとることができる.

{\begin{align}
p_{k\pm}&=\pm\frac{1}{\sqrt{5}}\left(-2\cos\frac{2k\pi}{5},\ -2\sin\frac{2k\pi}{5},\ 1\right)\ \ \ (k=0,1,2,3,4)\\
p_{5\pm}&=(0,0,\pm 1)
\end{align}}

 これらを集合{P}とする. 注意:最初の記事の取り方とは異なり, 2つの頂点がz軸上に来るようになっている.

 対応する単位スピノルは,

{
\begin{gather}
\psi_1(p_{k+})=\sqrt{\frac{\phi}{\sqrt{5}}}\ ,\ \ 
\psi_2(p_{k+})=-\sqrt{\frac{\phi^{-1}}{\sqrt{5}}}\ \zeta^k\\
\psi_1(p_{k-})=\sqrt{\frac{\phi^{-1}}{\sqrt{5}}}\ ,\ \ 
\psi_2(p_{k-})=\sqrt{\frac{\phi}{\sqrt{5}}}\ \zeta^k\\
\psi_1(p_{5+})=1,\ \ \ \psi_1(p_{5+})=0\\
\psi_1(p_{5-})=0,\ \ \ \psi_1(p_{5-})=1\\
\end{gather}
}

 ただし,{\zeta=\exp\left(\frac{2k\pi i}{5}\right),\ \phi=(1+\sqrt{5})/2}

 ここに,{\boldsymbol{z}=(z_1,z_2)}を横ベクトルとして多項式

{\begin{align}
V({\boldsymbol z})=\sqrt{5^5}\prod_{p\in P}{\boldsymbol z}{\boldsymbol \psi}(p)
\end{align}}

 を定める. 2項正20面体群{\widetilde{\mathcal{I}}}を, {O(\widetilde{\mathcal{I}})}{P}上の同型写像になるようにとる. ここでは明示的に与えないが, 記事(4)での具体形とはユニタリ同値になる. このとき, {D\in \widetilde{\mathcal{I}} \subset SU(2)}の作用によって,

{\begin{align}
\rho(D)V({\boldsymbol z})
&=V({\boldsymbol z}D)\\
&=\sqrt{5^5}\prod_{p\in P}{\boldsymbol z}D{\boldsymbol \psi}(p)\\
&=\sqrt{5^5}\prod_{p\in P}{\boldsymbol z}{\boldsymbol \psi}(O(D)^{-1}p)\\
&=c\,V({\boldsymbol z})\ \ \ |c|=1
\end{align}}

と, 絶対値1の複素数倍を除いて不変. 2項正20面体群の1次元表現が恒等表現しか存在しないことから, この因子は実際には1でなくてはならない. 結局,

{\begin{align}
V({\boldsymbol z})&=z_1z_2\prod_{k=0}^4
(z_1-\phi^{-1}\zeta^k z_2)(z_1+\phi\zeta^k z_2)\\
&=z_1z_2 (z_1^5-\phi^{-5}z_2^5)(z_1^5+\phi^5z_2^5)\\
&=z_1z_2\left(z_1^{10}+11z_1^5z_2^5-z_2^{10}\right)
\end{align}}

が2項正20面体群の作用による不変式になる. {SU(2)}の表現としては最高ウェイト6の表現空間に属する.

ヘッシアンとヤコビアン

 他の不変式を求める. 2変数関数{f(z_1,z_2)}に対するヘッシアン(Hessian)は

{\begin{align}
H\lbrack f\rbrack=\begin{vmatrix}
\displaystyle{\frac{\partial^2 f}{\partial z_1^2}} & \displaystyle{\frac{\partial^2 f}{\partial z_1\partial z_2}} \\ 
\displaystyle{\frac{\partial^2 f}{\partial z_1\partial z_2}}  & \displaystyle{\frac{\partial^2 f}{\partial z_2^2}} 
\end{vmatrix}
\end{align}}

2つの2変数関数{f,g}に対するヤコビアン(Jacobian)は

{\begin{align}
J\lbrack f,g\rbrack=\begin{vmatrix}
\displaystyle{\frac{\partial f}{\partial z_1}} 
& \displaystyle{\frac{\partial f}{\partial z_2}} \\
\displaystyle{\frac{\partial g}{\partial z_1}} 
& \displaystyle{\frac{\partial g}{\partial z_2}}
\end{vmatrix}
\end{align}}

である. 2×2行列の2変数関数への作用を

{
\begin{gather}
T_Af({\boldsymbol z})=f({\boldsymbol z}A)\\
A\in M(2,\mathbb{C})
\end{gather}
}

で定めると,

{\begin{align}
H\lbrack T_Af\rbrack&=|A|^2T_AH\lbrack f\rbrack\\
J\lbrack T_Af,T_Ag\rbrack &=|A|T_AJ\lbrack f,g\rbrack
\end{align}}

が成り立つ. すなわち, {f,g}{A}で不変かつ{|A|=1}ならヤコビアンとヘッシアンも不変.

 まず,{V}のヘッシアンから

{\begin{align}
F({\boldsymbol z})&=\frac{-1}{121}H\lbrack V({\boldsymbol z})\rbrack\\
&=z_1^{20}-228z_1^{15}z_2^{5}+494z_1^{10}z_2^{10}+228z_1^{5}z_2^{15}+z_2^{20}
\end{align}}

{\widetilde{\mathcal{I}}}不変式として得る. {V}を構成した時と同様の手続きで, 面に対応するスピノルを取っても同じ式になる. {SU(2)}の最高ウェイト10の表現に属す.

次に,{V,F}ヤコビアンから

{\begin{align}
E({\boldsymbol z})&=\frac{-1}{20}J\lbrack V({\boldsymbol z}),F({\boldsymbol z})\rbrack\\ &=
z_1^{30}+522z_1^{25}z_2^5-10005z_1^{20}z_2^{10}-10005z_1^{10}z_2^{20}-522z_1^5z_2^{25}+z_2^{30}
\end{align}}

を得る. これは辺の中点をとった式に等しい. {SU(2)}の最高ウェイト15の表現に属す.

 なお, {V,F,E}{z_1}の最高次の係数が{1}になるように調整した.

クライン特異点

 実はこれらの間には

{\begin{align}
1728V^5+F^3-E^2=0
\end{align}}

なる関係がある(1728が出てきた......). 計算すると確かめられるが, ちょっと手計算では厳しい. 根の重複度に関する考察からこのような線形関係が成り立たなくてはならないことが示される[1][2].

 ここにまた{E_8}との関係が生じる. V,F,Eの3複素変数がこのような代数関係を満たすとき, {\mathbb{C}^3}空間内の原点に唯一つ持つ特異点はクライン特異点となっており, 特異点の最小解消を与えるグラフが{E_8}型のディンキン図に同型になる[3].

 他の正多面体群・巡回群についても同様に不変式環と特異点解消の間に関係があり, ADE分類が現れている.

 {\widetilde{\mathcal{I}}}不変式環はこの3つ{V,F,E}によって生成される. 既に行った指標に関する考察から示唆されていたことだった.


正20面体群の恒等表現基底

 {V,F,E}{SU(2)}表現空間の元と見て正規化する. 上で定義した正規直交基底{e^j_m}を用いて

{\begin{align}
\widetilde{V}&=\frac{V}{2^4\cdot 3^2\cdot 5^2\cdot\sqrt{11}}\\
&=\frac{\sqrt{7}}{5}(e^{6}_5-e^{6}_{-5})+\frac{\sqrt{11}}{5}e^6_0\\
\widetilde{F}&=\frac{F}{2^9\cdot3^4\cdot5^4\cdot7\cdot\sqrt{3\cdot13\cdot19}}\\
&=\frac{1}{5^2\cdot\sqrt{3}}\left(
\sqrt{11\cdot17}(e^{10}_{10}+e^{10}_{-10})-\sqrt{3\cdot11\cdot19}(e^{10}_{5}-e^{10}_{-5})+\sqrt{13\cdot19}e^{10}_0
\right)\\
\widetilde{E}&=\frac{E}{2^{14}\cdot3^7\cdot5^6\cdot7\cdot\sqrt{7\cdot11\cdot13\cdot17\cdot19\cdot23\cdot29}}\\
&=\frac{1}{2\cdot5^2\cdot\sqrt{5}}
\left(\sqrt{7\cdot11\cdot13}(e^{15}_{15}+e^{15}_{-15})+\sqrt{2\cdot3\cdot11\cdot29}(e^{15}_{10}-e^{15}_{-10})-\sqrt{5\cdot23\cdot29}(e^{15}_5+e^{15}_{-5})
\right)
\end{align}}

がその3つである.

 こうして不変式に関する考察から以前の結果が再現された. {e^j_m}を球面調和関数{Y^j_m}で置き換えると球面上の正20面体群対称な関数が得られる.

30次の場合

 ようやく30次の正20面体群対称な関数を計算する準備ができた. この次数では初めて独立な2つの独立な基底が現れる.

 明示的には書かないが, {V^5}を正規化したベクトル{\widetilde{A}}{E^2}を正規化したベクトル{\widetilde{B}}内積

{\begin{align}
\big\langle\widetilde{A}, \widetilde{B}\big\rangle=\frac{11828893\sqrt{11\cdot 23 \cdot29}}{\sqrt{71\cdot 233\cdot 467\cdot 4793\cdot 280485761}}
\end{align}}

有理数平方根になる「現象」が起こる. 他の2つの内積はこうはならない.

 これによって{\widetilde{A}}に直交する

{\begin{align}
C=\widetilde{B}-\big\langle\widetilde{A}, \widetilde{B}\big\rangle \widetilde{A}
\end{align}}

を得て, それを正規化した{\widetilde{C}}とあわせた2つが30次の正規直交基底になる.

{
\begin{gather}
X=\frac{1}{\sqrt{N_X}}\sum_{k=0}^{6} \pm \sqrt{M^{5k}_X}\
 \left(e^{30}_{5k}+(-1)^ke^{30}_{-5k}\right) \\
N_X, M^{5k}_X\in \mathbb{N},\ \ \ X=\widetilde{A},\widetilde{C}
\end{gather}
}

と表せることを用いて{N_X,M_X^{5k}}を表にする. ただし根号の前に付ける符号を{M}の項に書いている.

{\begin{align}
N_{\tilde{A}}&=5^{10}\cdot71\cdot233\cdot4793\\
N_{\tilde{C}}&=2^2\cdot3\cdot5^{14}\cdot71\cdot233\cdot4793
\end{align}}


{
\renewcommand{\arraystretch}{1.5}
\begin{align}
\begin{array}{|c|c|c|}\hline
k & M^{5k}_{\tilde{A}} & M^{5k}_{\tilde{C}} \\ \hline
0&3^2 \cdot 11 \cdot 13 \cdot 23 \cdot 29 \cdot 12251^2 
& 2^6 \cdot 17 \cdot 19 \cdot 31 \cdot 37 \cdot 41 \cdot 43 \cdot 47 \cdot 53 \cdot 59\\ \hline
1&2^2 \cdot 3 \cdot 5^2 \cdot 17 \cdot 23 \cdot 31 \cdot 4639^2 
& - 2^2 \cdot 3^3 \cdot 11 \cdot 13 \cdot 19 \cdot 29 \cdot 37 \cdot 41 \cdot 43 \cdot 47 \cdot 53 \cdot 59\\ \hline
2&2^6 \cdot 5 \cdot 7 \cdot 11 \cdot 13 \cdot 17^3 \cdot 19 \cdot 31 \cdot 37 
& 3^4 \cdot 5 \cdot 7 \cdot 23 \cdot 29 \cdot 41^3 \cdot 43 \cdot 47 \cdot 53 \cdot 59\\ \hline
3&3 \cdot 5 \cdot 13 \cdot 31 \cdot 37 \cdot 41 \cdot 43 \cdot 241^2 
& - 2^8 \cdot 3 \cdot 5 \cdot 11 \cdot 17 \cdot 19 \cdot 23 \cdot 29 \cdot 31^2 \cdot 47 \cdot 53 \cdot 59\\ \hline
4&2^3 \cdot 5^2 \cdot 7 \cdot 11 \cdot 23 \cdot 31 \cdot 37 \cdot 41 \cdot 43 \cdot 47 
&2 \cdot 3^2 \cdot 7 \cdot 13 \cdot 17 \cdot 19 \cdot 29 \cdot 53 \cdot 59 \cdot 2161^2\\ \hline
5&2 \cdot 3 \cdot 13 \cdot 17 \cdot 23 \cdot 31 \cdot 37 \cdot 41 \cdot 43 \cdot 47 \cdot 53 
&-2^3 \cdot 3 \cdot 11 \cdot 19 \cdot 29 \cdot 59 \cdot 101^2 \cdot 151^2\\ \hline
6&0
& 7 \cdot 11 \cdot 71^2 \cdot 233^2 \cdot 4793^2 \\ \hline
\end{array}
\end{align}}

f:id:shironetsu:20180331233204p:plain:w450
左が{\widetilde{A}}, 右が{\widetilde{C}}.

これらを重ね合わせて単振動・回転させるとこのようになる.
f:id:shironetsu:20180401104133g:plain:w400

 ついでに59次({\mathcal{I}}不変な基底がただ1つしか存在しない最高次の表現)ではこうなる.
f:id:shironetsu:20180402123857p:plain:w400
 係数はここには載せないが, 分子の約数が2と5のみの既約分数の平方根からなる.

課題

  • 既に述べたことだが, 正規化したときの係数の因数の少なさが非自明. とくに30次まで分母が因数を2,3,5しか含まないのは何故か?
  • 30次以上の全ての場合でこのように有理数平方根のみを係数に持つ正規直交基底を取ることは可能か?

 正20面体群にまつわる数学的対象たちの深遠さにくらべるといかにも些末な問題にも見えるが, こういうところにも何か隠れているかもしれない.


リファレンス

[1]F.クライン,『クライン:19世紀の数学』(彌永昌吉 監修), 共立出版, 1995年
[2]F.クライン,『正20面体と5次方程式』(関口次郎, 前田博信訳), 丸善出版, 2012年
 (もっと早くこの本を読むべきだった.)
[3]松澤淳一,『特異点とルート系』, 朝倉書店, 2002年

球面調和関数で正20面体をつくる(4) - 2項正20面体群とマッカイ対応

2項正20面体群

 関連書をいくつか読む中で, この前まで「2重正20面体群」と呼んでいたものには「2項正20面体群」binary icosahedral groupという広く通用する名称があることが分かった. 記号についてはそれほど固く定まっているわけではないものの, 正20面体群をカリグラフィーの{\mathcal{I}}, 2項正20面体群はチルダをつけて{\widetilde{\mathcal{I}}}とする表記を見て[1], 都合が良いのでこの記事からそうすることにする(単なるIはフォントの都合で潰れがちという難がある).

{\widetilde{\mathcal{I}}/\{1,-1\}\cong \mathcal{I}}

 ついでにいわゆる黄金数{(1+\sqrt{5})/2}もこれまでは{\tau}で表していたが, ここからは{\phi}で表すことにする. 余計な記号の変更は本来避けるべきだが. (統一のためそのうち過去記事のほうを変更する)

自然表現

 はじめに正20面体群の指標表を作ったが, 2項正20面体群についてはまだだった. これを調べよう.

 まず, 自然表現(あるいは定義表現)は{SU(2)\rightarrow SO(3)}準同型写像から, {SO(3)}の有限部分群である正20面体群の逆像が{SU(2)}のなかに成す2×2行列の集合からなる. パウリ行列を

{\begin{align}
\sigma_1=\begin{pmatrix}0&1\\1&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\sigma_2=\begin{pmatrix}0&-i\\i&0\end{pmatrix},\ \ \ 
\sigma_3=\begin{pmatrix}1&0\\0&-1\end{pmatrix}
\end{align}}

で表す. 単位四元数のなす群{Sp(1)}{SU(2)}の同型によって

{\begin{align}
{\boldsymbol i}=\frac{1}{i}\sigma_1,\ \ \ 
{\boldsymbol j}=\frac{1}{i}\sigma_2,\ \ \ 
{\boldsymbol k}=\frac{1}{i}\sigma_3
\end{align}}


のように2×2行列と四元数を同一視し, {(\alpha, \beta, \gamma, \delta)}によって四元数{\alpha + \beta {\boldsymbol i}+ \gamma {\boldsymbol j}+\delta{\boldsymbol k}}を表すと, 2項正20面体群の定義表現の1つは次のようになる:

{(\pm1,\ 0,\ 0,\ 0)}の成分を巡回置換した元8個.
{(\pm1/2,\ \pm1/2,\ \pm1/2,\ \pm1/2)} の形の元16個
{(0,\ \pm1/2,\ \phi/2,\ \phi^{-1}/2)}の成分を偶置換で入れ替えた元96個

 なお, これらを4次元ユークリッド空間中の点の座標と見ると, 600-cell(600胞体?)の頂点になっている.

共役類

 この120個の元がどのように共役類に分かれるか見る. 既に正20面体群に関する考察から, 同じ共役類に入るためには実部の絶対値が等しいことが必要だと分かっている. 2項正20面体群では, 実部が等しい元同士が共役類をなす. このことは, 共役による作用の安定化群が中心化群であること・2つの四元数が積について可換になるための必要十分条件が一方の虚部がもう一方の虚部の定数倍であること を用いて共役類のサイズを調べることで示される.

 各共役類を列挙する. 代表元には次の記号を割り当てる. 3列目の"回転角"は, SO(3)への準同型写像による像の回転角を表す.
{\begin{align}
\begin{array}{|c|c|c|}\hline
\mbox{代表元} & \mbox{サイズ} &\mbox{回転角}\\ \hline
e=(1,\,0,\,0,\,0) & 1 & 0\\ \hline   -e=-(1,\,0,\,0,\,0) & 1 & 0\\ \hline
a=(0,\,1/2,\,\phi/2,\,\phi^{-1}/2) & 30 & \pi \\ \hline
b=(1/2,\,1/2,\,1/2,\,1/2) & 20 & 2\pi/3 \\ \hline -b=-(1/2,\,1/2,\,1/2,\,1/2) & 20 & 2\pi/3 \\ \hline
c=(\phi/2,\, \phi^{-1}/2,\,0,\,1/2) & 12 & 2\pi/5 \\ \hline  -c=-(\phi/2,\, \phi^{-1}/2,\,0,\,1/2) & 12 & 2\pi/5 \\ \hline
d=(\phi^{-1}/2,\,\phi/2,\,1/2,\, 0) & 12 & 4\pi/5 \\ \hline  -d=-(\phi^{-1}/2,\,\phi/2,\,1/2,\, 0) & 12 & 4\pi/5 \\ \hline
\end{array}
\end{align}}

 共役類は9個. 従って同値でない既約表現も9個. そのうち5つは中心{\{1,-1\}}による剰余群: 正20面体群の表現として得ている. 他の4つのうち1つは自然表現. 残る3つの既約表現の次元の2乗和は{60-2^2=56}だが, そのような自然数はただ1組(2,4,6)しか存在しない.

指標表

 前の記事までは既約表現に対していちいちアルファベットを割り当てていたが, あまり合理的ではないので, 物理でよくやるように表現の次元及び同じ次元の表現を区別する添え字によって既約表現を表すことにする.

 正20面体群の表現として得られた指標表から, 2項正20面体群の指標表の一部は次のようになる.
{\begin{align}

\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline
 \mbox{既約表現} \backslash \mbox {代表元(サイズ)}&\phantom{-}e(1) & -e(1) & \phantom{-}a(30) & \phantom{-}b(20) & -b(20) & \phantom{-}c(15) & -c(15) & d(15) & -d(15)\\ \hline
{\boldsymbol 1} & 1& 1& 1& 1& 1& 1& 1& 1& 1 \\ \hline
{\boldsymbol 3}_1 & 3 & 3 &-1 & 0 & 0 & \phi & \phi& -\phi^{-1}& -\phi^{-1}\\ \hline
{\boldsymbol 3}_2 & 3 & 3 & -1 & 0 & 0 & -\phi^{-1}& -\phi^{-1}& \phi & \phi\\ \hline
{\boldsymbol 4}_1 & 4 & 4 & 0 & 1 & 1 & -1 & -1 & -1 & -1\\ \hline
{\boldsymbol 5}    & 5 & 5 & 1 & -1 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0\\ \hline
\end{array}
\end{align}}

2つの3次元表現のうち, {\boldsymbol{3}_1}{SO(3)}部分群として自然に得られる表現.

 自然表現{\boldsymbol{2}_1}の指標表は上で得られた具体形から直ちに得られる(四元数実部の2倍がSU(2)の元としてのトレースになる).
{\begin{align}
\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline
\mbox{既約表現} \backslash \mbox {代表元(サイズ)} & \phantom{-}e(1) & -e(1) & \phantom{-}a(30) & \phantom{-}b(20) & -b(20) & \phantom{-}c(15) & -c(15) & d(15) & -d(15)\\ \hline
{\boldsymbol 2}_1 & 2 & -2 &  0 & 1 & -1 & \phi & -\phi & \phi^{-1} & -\phi^{-1}\\ \hline
\end{array}
\end{align}}

 残る{\boldsymbol{2}_2, \boldsymbol{4}_2, \boldsymbol{6}}表現の指標表は, {\boldsymbol{2}_1}表現と正20面体群の表現だけから得られる. というのも,
{\begin{align}
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{3}_1 
&= \boldsymbol{2}_1 \oplus \boldsymbol{4}_2\\
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{3}_2
&= \boldsymbol{6}\\
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{4}_1
&= \boldsymbol{6} \oplus \boldsymbol{2}_2
\end{align}}

と直積表現が直和分解されるため. (上から順に計算すれば, 都合よく既知の表現から残り3つの表現が得られる.)

 こうして指標表の残りの部分が得られる.

{\begin{align}
\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|} \hline
\mbox{既約表現} \backslash \mbox {代表元(サイズ)}
 & \phantom{-}e(1) & -e(1) & \phantom{-}a(30) & \phantom{-}b(20) & -b(20) & \phantom{-}c(15) & -c(15) & d(15) & -d(15)\\ \hline
{\boldsymbol 2}_2 & 2 & -2 & 0 & 1 & -1 & -\phi^{-1} & \phi^{-1} & -\phi & \phi \\ \hline
{\boldsymbol 4}_2 & 4 & -4 & 0 & -1 & 1 & 1 & -1 & -1 & 1\\ \hline
{\boldsymbol 6} & 6 & -6 & 0 & 0 & 0 & -1 & 1 & 1 & -1 \\ \hline
\end{array}
\end{align}}

 上で既に得たものも含め, 自然表現と他の既約表現との直積表現がどう既約分解されるか調べる. 計算すると

\begin{gather}
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{1}= \boldsymbol{2}_1,\ \ \
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{2}_1 = \boldsymbol{1} \oplus \boldsymbol{3}_1,\ \ \
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{2}_2 = \boldsymbol{4}_1\\
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{3}_1 = \boldsymbol{2}_1 \oplus \boldsymbol{4}_2,\ \ \
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{3}_2= \boldsymbol{6},\ \ \
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{4}_1= \boldsymbol{2}_2 \oplus \boldsymbol{6}\\
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{4}_2 = \boldsymbol{3}_1 \oplus \boldsymbol{5},\ \ \
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{5}= \boldsymbol{4}_2 \oplus \boldsymbol{6},\ \ \
\boldsymbol{2}_1\otimes \boldsymbol{6}= \boldsymbol{3}_2 \oplus \boldsymbol{4}_1 \oplus \boldsymbol{5}
\end{gather}

これらをまとめて
{\begin{align}
{\boldsymbol 2}_1\otimes {\boldsymbol \mu} = \bigoplus_{\boldsymbol \nu} N_{\boldsymbol{\mu}\boldsymbol{\nu}} {\boldsymbol \nu}
\end{align}}

と表す({\boldsymbol{\nu}}は全ての既約表現に渡る)と, 重複度{N_{\boldsymbol{\mu}\boldsymbol{\nu}}}は次の表のようになる.

{\begin{align}
\begin{array}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|}\hline
\boldsymbol{\mu}\backslash \boldsymbol{\nu}
&\boldsymbol{2}_2 & \boldsymbol{3}_2 & \boldsymbol{4}_1
&\boldsymbol{6} & \boldsymbol{5} &\boldsymbol{4}_2 
&\boldsymbol{3}_1 & \boldsymbol{2}_1 & \boldsymbol{1}\\ \hline
\boldsymbol{2}_2&0&0&1&0&0&0&0&0&0 \\ \hline
\boldsymbol{3}_2&0&0&0&1&0&0&0&0&0 \\ \hline
\boldsymbol{4}_1&1&0&0&1&0&0&0&0&0\\ \hline
\boldsymbol{6}&0&1&1&0&1&0&0&0&0 \\ \hline
\boldsymbol{5}&0&0&0&1&0&1&0&0&0 \\ \hline
\boldsymbol{4}_2&0&0&0&0&1&0&1&0&0\\ \hline
\boldsymbol{3}_1&0&0&0&0&0&1&0&1&0\\ \hline
\boldsymbol{2}_1&0&0&0&0&0&0&1&0&1\\ \hline
\boldsymbol{1}&0&0&0&0&0&0&0&1&0\\ \hline
\end{array}
\end{align}}

 全ての成分が0か1, 対角成分が0の対称行列になっているため, 単純グラフの隣接行列とみなせる. 各既約表現を頂点として次のグラフが描かれる.

f:id:shironetsu:20180331140126p:plain:w400

 なんてことだ……{E_8}の拡大ディンキン図が出てきた……。

 隣接行列から(単純)グラフを作るルールは「頂点どうしを結ぶ辺が存在すれば1, しなければ0」である. 一方カルタン行列とディンキン図の関係は, A, D, E型の場合(simply-laced)の場合に限れば「カルタン行列の成分が-1なら1本線で結ばれ, 0なら結ばれない」だった. また, 隣接行列の対角成分は全て0, カルタン行列の対角成分は全て2だから, {C_{\boldsymbol{\mu}\boldsymbol{\nu}}=2\delta_{\boldsymbol{\mu}\boldsymbol{\nu}}-N_{\boldsymbol{\mu}\boldsymbol{\nu}}}がちょうど{E_8}の拡大カルタン行列になる({\delta}クロネッカーのデルタ).

{\begin{align}
C=\begin{pmatrix}
2&0&-1&0&0&0&0&0&0 \\  0&2&0&-1&0&0&0&0&0 \\ -1&0&2&-1&0&0&0&0&0\\ 
0&-1&-1&2&-1&0&0&0&0 \\ 0&0&0&-1&2&-1&0&0&0 \\ 0&0&0&0&-1&2&-1&0&0\\
0&0&0&0&0&-1&2&-1&0\\ 0&0&0&0&0&0&-1&2&-1\\ 0&0&0&0&0&0&0&-1&2
\end{pmatrix}
\end{align}}

群の元{g\in\widetilde{\mathcal{I}}}の既約表現{\boldsymbol{\nu}}における指標を{\chi_{\boldsymbol{\nu}}(g)}で表すと
{\begin{align}
\sum_{\boldsymbol{\nu}}
C_{\boldsymbol{\mu}\boldsymbol{\nu}} \chi_{\boldsymbol \nu}(g)=\left(2-\chi_{\boldsymbol{2}_1}(g)\right)\chi_{\boldsymbol{\mu}}(g)
\end{align}}

となって, 群の共役類ごとに{\chi_{\boldsymbol{\nu}}(g)}が拡大カルタン行列の固有値{2-\chi_{\boldsymbol{2}_1}(g)}固有ベクトルになることを意味する.

 これこそがマッカイJohn McKayが最初に気付いたことで, マッカイ対応 McKay correspondenceの一例になっている.


マッカイ対応

 数学セミナーの記事[2]に, 松澤氏(『特異点とルート系』著者)がMcKay氏自身から語られたとする言葉が載っていた.

「あれは嵐の晩だった. その日ちょうど手に入った新しい数式処理ソフトを試すために{E_8}型拡大カルタン行列の固有ベクトルを計算することにしたのだ. すると, そこに2項正20面体群の指標表が現れたのだ.」

 マッカイ対応は他の正多面体群についても起こる.
 まず{SL(2,\mathbb{C})}の有限部分群は, {SO(3)}の有限部分群である巡回群{\mathcal{C}_n}・2面体群{\mathcal{D}_n}・正4面体群{\mathcal{T}}・正8面体群{\mathcal{O}}・正20面体群{\mathcal{I}}の逆像によって得られる,

偶数位数{n}巡回群 {\mathcal{C}_n(n:{\rm even})}
位数{4n}の2項2面体群 {\widetilde{\mathcal{D}_n}}
2項正4面体群(位数24) {\widetilde{\mathcal{T}}}
2項正8面体群 (位数48) {\widetilde{\mathcal{O}}}
2項正20面体群 (位数120) {\widetilde{\mathcal{I}}}

及びそこからは得られない

奇数位数{n}巡回群 {\mathcal{C}_n(n:{\rm odd})}

に限られる. これはクライン Felix Kleinが示したことであった.
 これらに対して上と同様の手続きで得られるグラフと拡大ディンキン図の型の間に, 次の関係がある.

{
\renewcommand{\arraystretch}{1.5}
\begin{align}
\begin{array}{|c|c|}\hline
群&\mbox{拡大ディンキン図}\\ \hline
\mathcal{C}_n & \widetilde{A}_{n-1}\\ \hline
\widetilde{\mathcal{D}_n} & \widetilde{D}_{n+2}\\ \hline
\widetilde{\mathcal{T}} & \widetilde{E}_6\\ \hline
\widetilde{\mathcal{O}} & \widetilde{E}_7\\ \hline
\widetilde{\mathcal{I}} & \widetilde{E}_8\\ \hline
\end{array}
\end{align}}

f:id:shironetsu:20180331140148p:plain:w400

f:id:shironetsu:20180331140203p:plain:w400

青丸:自明な表現は最高ルートの(-1)倍の頂点に対応し, これを除けば通常のディンキン図になる.

 何と表現するべきか, これはちょっと「過剰な」感じがあってひるむ. {SO(3)}の部分群である3つの正多面体群と, 3つのE型単純リー群の「例外性」がディンキン図を通して関係づけられてしまうとは. そもそも正多面体とコクセター-ディンキン図の間には鏡映群による関係があり, そこではたとえば正20面体の対称性は{H_3}であって{E_8}ではなかった.

 さて, 一連の記事の目標は正20面体対称性を持つ球面上の関数の構成であった. 実は特異点の問題を通してマッカイ対応, ADE分類に関係する(特異点の理論そのものは理解できていないけど…). 歴史はシュヴァルツやクラインによる不変式に関する考察にまで遡る.

(次の記事に続く)

リファレンス

[1]松澤淳一, 『特異点とルート系』, 朝倉書店, 2002年
[2]松澤淳一, 「空間の点群・結晶群と有限性 マッカイ対応と{SL_2, SL_3}の有限部分群」, 数学セミナー2012年9月号, pp.28-33
[3]F.クライン『正20面体と5次方程式』(関口次郎, 前田博信訳), 丸善出版, 2012年
[4]McKay graph - Wikipedia
[5]Binary icosahedral group - Wikipedia
[6]Special linear group:SL(2,5) - Groupprops
[7] ADE classification - Wikipedia

高坂海美呼称表手作り体験記

f:id:shironetsu:20180313184340j:plain:w400

 グリー版ミリオンライブ終了まで1週間を切った。悲しい。「思い出」にアクセスできる今しかできないことをやっておきたくて、高坂海美さんの他の人々に対する呼び名をまとめることにした。呼称表なんて太古から作られてきているものがインターネット上でいくらでも見られるけれど、ソースに直接あたることができるのはこの残されたわずかな期間だけ。自力でやってみたかった(ついでにスクショ作業の大変さを知っておきたかった)。下のほうに参考画像。

(五十音順。参考のため年齢を年上同い年(16歳)年下で付記)
(詳しくは下のほうに書いているが、ミリシタ及びコミカライズ「Blooming Clover」ソースも混在している。表中では括弧で注意を促す。特に注記の無いものはグリー版)

名前 年齢 呼び名 呼ばれ方
秋月律子 19 律子さん 海美※
天海春香 17 春香さん 海美ちゃん
伊吹翼 14 バサバサ 海美さん
エミリー 13
大神環 12 うみみ
春日未来 14 みらいっち 海美さん
我那覇響 16 海美
菊池真 17 まこっちゃん 海美※
如月千早 16 千早さん 高坂さん
北上麗花 20 麗花 海美ちゃん
北沢志保 14 しほり 海美さん
木下ひなた 14 ひなぴー(追記参照) 海美さん
高坂海美 16 私(うみみ、うみみん)
桜守歌織 23
佐竹美奈子 18 美奈子先生・みなちん(ミリシタ) 海美ちゃん
四条貴音 18 貴音さん 海美
篠宮可憐 16 可憐 海美ちゃん
島原エレナ 17 えれなん ウミ
ジュリア 16 ジュリア 海美
白石紬 17
周防桃子 11 ももちん 海美さん
高槻やよい 14 やよちゃん 海美さん
高山紗代子 17 さよちん 海美
田中琴葉 18 琴葉 海美ちゃん
天空橋朋花 15 朋花様 海美さん
徳川まつり 19 まつりん 海美ちゃん (ウミミ姫)※
所恵美 16 めぐみー 海美・うみみん(ミリシタオフショット)
豊川風花 22 ふーちゃん 海美ちゃん
中谷育 10 育りん 海美さん (海美お姉ちゃん(ミリオン女学園))
永吉昴 15 すばるん 海美
七尾百合子 15 ゆりりん 海美さん
二階堂千鶴 21 ちづるん 海美
野々原茜 16 茜っち ウミミン
萩原雪歩 17 雪歩さん 海美ちゃん※
箱崎星梨花 13 せりりん(BC) 海美さん
馬場このみ 24 このみちゃん 海美ちゃん
福田のり子 18 のりさん 海美
双海亜美 13 亜美 うみみん
双海真美 13 真美 うみみん
星井美希 15 ミキミキ 海美※
舞浜歩 19 海美
真壁瑞希 17 みずきん 高坂さん
松田亜利沙 16 ありりん 海美ちゃん
三浦あずさ 21 海美ちゃん※
水瀬伊織 15 いおりん 海美
宮尾美也 17 美也・(美也ちゃん) 海美ちゃん
最上静香 14 モガミン 海美さん
望月杏奈 14 もっちー 海美さん
百瀬莉緒 23 莉緒ねぇ 海美ちゃん
矢吹可奈 14 かなりん 海美ちゃん
横山奈緒 17 なおー(ミリシタ) 海美
ロコ 15 ロコロコ ウミ

 高坂さんの呼び方がかなり不規則なのは認識していたものの、改めて調べると本当に複雑。あだ名は本名に「りん」を付けるパターンだけではないし、本名で呼ぶ場合も「さん」「ちゃん」の付け方(または付けないか)が年齢の上下だけからは決まらない。高坂海美研究者はこの背後にある法則を見つけているのだろうか。(あだ名に関しては亜美真美・茜ちゃんと一部重複してはいる)

 印象的なところでは、豊川風花さんを「ふーちゃん」と呼んでいるのがかわいい。少し年上の親戚のお姉さんくらいの気持ちで接しているのを想像。馬場このみさんを「このみちゃん」と呼んでいるのも全く純粋な感覚からそうしていそうで良い。同じく大人組の二階堂千鶴さん・百瀬莉緒さんは「女子力」の手本として慕っているところがあってまた良い。
 
 意外だったのが箱崎星梨花さんの名前を呼んでいる場面が見つからなかったこと。Blooming Cloverではあんなに一緒にいるのに。他にエミリー・スチュアートさん、木下ひなたさん、佐竹美奈子さん追記参照)の呼び名が分からない。三浦あずささんは「ミリオン女学園」で「あずさお姉さま」、「アイドルヒーローズ」で「あずささん」と呼んでいるが、素の状態での呼び名ははっきりしない。横山奈緒さんはミリシタのPBAコミュ第4話から(グリー版にもある?)。宮尾美也さんの呼び方には「美也」「美也ちゃん」で揺れがあった(ただしミリシタ以降は「美也」のみ)。

 桜守歌織さんと白石紬さんの呼び名はまだ分からない。中の人の上田麗奈さんと南早紀さんが事務所の先輩後輩ということで、白石紬さんとはMEG@TON VOICE!で小芝居みたいなことをやっていた気もするけど記録を残していないし特に台本の無い即興芸だったはず。

 これをまとめている最中、ミリシタに高坂海美さん中心のメインコミュ18話「ひろがる気持ち☆」が追加された。ココロ☆エクササイズ。あの世界一かわいいファイティングポーズがたくさん見られる。

(3/14追記 
アイドル呼称一覧 - ミリオンライブWiki
 ミリオンライブwiki呼称表佐竹美奈子さんは「美奈子先生」らしい。2015年の誕生日のやりとりから。
高坂海美 - ミリオンライブWiki
 これ以外の空欄箇所は自分が作成したものと同じ。最上静香さんの欄の「静香ちゃん」が気になる。

 木下ひなたさんについては@superfroggestさんから「木下ひなたwiki」の呼称一覧を教えていただいた。
呼称表 - 木下ひなたwiki
 「ひなぴー」らしい。亜美真美と同じ。ただしソースは3周年記念ドラマCD(BLOG│THE IDOLM@STER OFFICIAL WEB | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト 応募者全員が貰えたそうだがその頃自分は初めてまもなかった…)だそうで、自力で確認ができない。

 エミリーさんについては未だ分からず。「えみりん」がしっくりくるけど案外「エミリー」そのままかも。バレエと日本舞踊という伝統舞踊を習っていた点での共通点があったりするのでそのうち絡んではくれそう。ミリシタでの属性も同じPrincessなのでそう遠くはないかも。

 とか言っていたらこんな会話があったことに気付いた。

f:id:shironetsu:20180318163137j:plain:w300

 プロデューサーの「苦手なダンスは?」という問いに対して「動きがゆっくりだから!私、落ち着いてるのって苦手だしね☆」とのこと(ネクストプロローグ編Lv2)
「バレエなら次のステップとか、姿勢を維持するのに集中しちゃってるけど…。ま、やってみたら違うかもしれないから、わからないけどねーっ。」

 それにしても「ふーちゃん」かぁ……「ふーちゃん」……ちょっと甘えのある感じがなんとも愛おしい……。ゲーム内の絡みが予想外に多かったが、LIVE THE@TER FORWAD(LTF) 03 Starlight Melody「MC03~その頃舞台裏では」にも会話がある。「永遠の花」を歌うにあたってまだ不安の残る豊川さんを「ふーちゃん、がんばってね!」と送り出す高坂さんの優しい声……。そしてミリシタTHE@TER BOOST!「超ビーチバレー」で新入生役高坂海美、キング役豊川風花として共演が決まっていることを思い出して動揺した。ミリシタで「ふーちゃん」を聞ける日も遠くない。
(3/14追記終わり)

(3/16追記 センパイが来てくれない。
 昨日のミリシタのアップデートで過去のホワイトボードが見られるようになったので眺めていたら、中谷育さんの誕生日のホワイトボードに高坂さんが書き込んでいたことを思い出した。

佐竹美奈子・中谷育(ミリシタ2017/12/16中谷育誕生日ホワイトボード)
f:id:shironetsu:20180316034703j:plain:w300

 自画像が可愛すぎる。それはともかくここでも佐竹美奈子さんのことを「美奈子先生」と呼んでいたので画像を追加。
 しかしこの「美奈子先生」呼びは背景にある色々があまりに魅力的ですね。厨房で手際よく料理を作る佐竹さんをキラキラした尊敬の眼差しで見ているんだろうな~とか。
(3/16追記終わり)

(3/30追記) 福田のり子さんお誕生日おめでとうございます。
 f:id:shironetsu:20180330080036p:plain:w400
 むむ…「のり子さん」…これからミリシタでもまたあだ名で呼ぶ仲になるのかどうか。

と、この記事を見直していたら桜守歌織さんを「香織」と書いていて泡を吹いた(修正済)。いちばんやっちゃいけないやつだぞ。
(3/30追記終わり)

(6/9追記
 人生って楽しいーー!!!
5thライブで発表された閃光☆HANABI団(高山紗代子高坂海美佐竹美奈子横山奈緒福田のり子)、他の4人全員を高坂さんはあだ名で呼ぶ。「美奈子先生」を聞けるか…!見るからに熱い面々(脳筋プリンセス……)なので今から楽しみ。超ビーチバレーも。人生って楽しい~~~~~
 ところで上に書いた「のり子さん」はいつかの時点で修正されていたらしい。よかったよかった。
f:id:shironetsu:20180609203345p:plain:w600
 ミリシタといえばメインコミュ20話の「朋花様」でざわついていたのも記憶に新しい。
f:id:shironetsu:20180609203756p:plain:w600
(6/9追記終わり)

(6/16追記
 「呼ばれ方」を追加。最初の作成時にある程度はまとめていたものの、「呼び名」に比べると確認する範囲がどうしても多くなってしまって書けなかった。しかしどうせ「呼称表」とするなら双方向にすべきだろうと今更ながらに思い立ち……。※付きはアイドル呼称一覧 - ミリオンライブWikiからの引用。その他はソース画像が無いが、ほとんど「呼び名」が分かる場面のすぐ近くの会話中に出てきた。「呼び名」に比べるとトリッキーなところは少ないが、

  • 日常的に「うみみ」/「うみみん」/「ウミミン」と呼ぶのは大神環さん/双海姉妹/野々原茜さん だけ
  • のはずだがミリシタの「オフショット」で所恵美さんが「うみみん」と呼んだりしている
  • 矢吹可奈さんが年上を直接「ちゃん」付けで呼ぶのは比較的珍しい(他に七尾百合子・ロコ)

あたりは特筆。
(6/16追記終わり)

(6/21追記折よく佐竹さんSSRをお迎えできました。
 閃光☆HANABI団イベントが始まりましたね。1万ptまで走りぬけてイベントコミュを見ました。
f:id:shironetsu:20180621012907p:plain:w600
(イベントコミュ第2話「ドドンとレッスン開始!」)
 うおーー……。
(6/21追記終わり)

(7/8追記アキバの閃光☆HANABI団グッズを買えなかった
f:id:shironetsu:20180708225207p:plain:w600
(イベントコミュエピローグ「エンドレスなサマー」)
 やったーー!!

 ………「ふーちゃん」に至るまでのやつもやってほしい………。
(7/8追記終わり)

 以下ソース画像。

秋月律子(夢の国!?ショコラティエの大冒険)
f:id:shironetsu:20180313192602j:plain:w300

天海春香二階堂千鶴(期間限定☆アイドルカフェ)
f:id:shironetsu:20180313192715j:plain:w300

伊吹翼(Idol Master's Cup Evolution 6)
f:id:shironetsu:20180313192852j:plain:w300

大神環・周防桃子・中谷育(期間限定☆アイドルカフェ)
f:id:shironetsu:20180313193014j:plain:w300

春日未来・豊川風花(星の煌めき☆ Syarlight Melody!!)
f:id:shironetsu:20180313193231j:plain:w300

我那覇響Dead or Alive!ミリオンアドベンチャー
f:id:shironetsu:20180313193352j:plain:w300

菊池真(甘ふわ♪ショコラハウス)
f:id:shironetsu:20180313193508j:plain:w300

如月千早(Get to the top! サマースポーツフェス)
f:id:shironetsu:20180313193602j:plain:w300

北上麗花(戦慄!アイドル肝だめし病棟、
Rカード「美味しい休憩タイム 高坂海美」このカード好き)
f:id:shironetsu:20180313193653j:plain:w300
f:id:shironetsu:20180313204527j:plain:w300

北沢志保(大激闘!765プロ野球!)
f:id:shironetsu:20180313194412j:plain:w300

四条貴音(囚われ!アイドルプリズン)
f:id:shironetsu:20180313194527j:plain:w300

篠宮可憐・豊川風花(キャラバン編 思い出ショートストーリー)
f:id:shironetsu:20180313194635j:plain:w300

島原エレナ(もっと!輝け!アイドル強化合宿)
f:id:shironetsu:20180313194810j:plain:w300

ジュリア・舞浜歩(1stLIVE ENJOY H@RMONY!!)
f:id:shironetsu:20180313194907j:plain:w300

周防桃子(華麗!ジェントルレディライブ)
f:id:shironetsu:20180313203156p:plain:w900

高槻やよい(芸術!?バレンタインミュージアム
f:id:shironetsu:20180313195019j:plain:w300

高山紗代子(HRカード バーゲンの猛者 高坂海美
f:id:shironetsu:20180313195126j:plain:w300

田中琴葉(PSL編メインストーリー 灼熱少女(バーニングガール)第8話「団結、そして本番へ」)
f:id:shironetsu:20180313200032j:plain:w300

天空橋朋花・松田亜利沙(1stLIVE HAPPY PERFORM@NCE!!)
f:id:shironetsu:20180313200236j:plain:w400

徳川まつり・野々原茜(星の煌めき☆ Starlight Melody!!)
f:id:shironetsu:20180313200415p:plain:w600

所恵美(劇場)
f:id:shironetsu:20180316034801j:plain:w300

豊川風花(キャラバン編メインストーリー・永吉昴)
f:id:shironetsu:20180314043434j:plain:w300

(ミリオンシアターライブ編 Final)
f:id:shironetsu:20180314043516j:plain:w300

永吉昴(祝祭!クリスマスフェスタ)
f:id:shironetsu:20180313200745j:plain:w300

七尾百合子(はじける汗!アイドルビーチバレー大会)
f:id:shironetsu:20180313201020p:plain:w300

萩原雪歩(もっと!輝け!アイドル強化合宿)
f:id:shironetsu:20180313201305j:plain:w300

馬場このみ百瀬莉緒(祝祭!クリスマスフェスタ)
f:id:shironetsu:20180313201411j:plain:w300

福田のり子(Get to the top! サマースポーツフェス)
f:id:shironetsu:20180313201553j:plain:w300

双海亜美双海真美(期間限定☆アイドルカフェ)
f:id:shironetsu:20180313201659j:plain:w300

星井美希(秋を満喫!ミリオンオータムフェア)
f:id:shironetsu:20180313201839j:plain:w300

真壁瑞希(みんなで年越し!生っすか!?Revolution×50)
f:id:shironetsu:20180313201912j:plain:w300

水瀬伊織(夏到来!アイドル水上運動会)
f:id:shironetsu:20180313202043j:plain:w300

宮尾美也(上:キャラバン編 思い出ショートストーリー、下:3rdLIVE BELIEVE MY DRE@M!!)
f:id:shironetsu:20180313202858j:plain:w300
f:id:shironetsu:20180313202801p:plain:w600

最上静香・ロコ(営業ショートストーリー@青森)
f:id:shironetsu:20180313202144p:plain:w300

望月杏奈(夢の国!?ショコラティエの大冒険)
f:id:shironetsu:20180313202216p:plain:w300

矢吹可奈(招福!アイドル干支マラソン
f:id:shironetsu:20180313202307p:plain:w300

横山奈緒(ミリシタPST Princess Be Ambitious!!第4話「お姫さまたちの秘密」)
f:id:shironetsu:20180313202401p:plain:w400

ロコ(Precious Days! ミリオンシアターライブ Day3)
f:id:shironetsu:20180313203115p:plain:w300

「昏き星、遠い月」CDを聞いたあと

f:id:shironetsu:20180228183157p:plain

 MTG05の「昏き星、遠い月」ドラマパートを聞きました。練習風景が描かれたイベントストーリー中で断片的に演じられた劇を補間する内容。台詞がより充実するとともに曖昧だった点のいくつかが解消された。ただしどういう理由か練習時との相違もあってやや慎重に読む必要がある。

コミュ6話視聴後の記事
shironetsu.hatenadiary.com

フラゲ前の記事
shironetsu.hatenadiary.com

 場面ごとに大雑把にメモ。

  • 『Prelude』

 最初のクリスティーナが語るバックに流れる音楽、エコーのかかった声が劇場を思わせて良い。エドガーが「すっかり寒くなってきた」と言っているので二人の出会いはそういう時季らしい。ついでにクリスティーナは日傘をさしている。
 そしてさっそくここでイベントストーリーとの相違が生じている。あちらではヴァンパイアに襲われた死体を見つけたエドガーが、路地裏に佇むクリスティーナに声をかけたことが二人の出会いのきっかけだった。一方こちらでは仕事を終えたエドガーが平凡な一日の終わりに見つけている。イベントストーリーではぼかされていたクリスティーナの狩りの様子も直接描かれずいぶん簡単になった。

  • 『再会、強襲』

 再びエドガーの前に姿を現すクリスティーナ。からかいからかわれる様子がかわいい。全体的に儚げな雰囲気をまとっていたイベントストーリーのクリスティーナにくらべてお茶目。
 後半ではアレクサンドラたち一家の暮らしていた屋敷が襲われたときのことが語られる。エレオノーラが犯人ではない可能性を考えたりもしたがさすがにそれはなさそうだ。そしてアレクサンドラは「不浄を祓う剣の使い手」だとエレオノーラの口から語られる。……悩ましい。
 エレオノーラ(と辺境伯)が屋敷を訪問したのは何のためだったか。香を携帯していたのだから誰かをヴァンパイアに変える準備は常にできていたのだろうけれど、予め目的としていたわけではないのかもしれない。「不浄を祓う剣の使い手」の噂を聞いて手元に置くために父母を殺し、偶然見つけたノエルをヴァンパイアに変えて人質に取った……といったあたりか。

  • 『大切なもの』

 クリスティーナがエドガーは女だと知ったきっかけが「偶然知ってしまった」になっている!イベントストーリーでは倒れたエドガーを家に連れ帰ったときに知ったことになっていた。そこで互いの秘密を打ち明け合って結びつきを強める……という意味があったはずだったが。クリスティーナが男だと触れられないことより、この違いのほうが重大かもしれない。エドガーの男装の理由(第2話の台詞「あんな場所じゃ、女は生きていけないから……」)についてもこちらでは特に語られない。
 二人が追剥ぎに襲われる場面が続く。永吉昴演じる不良に「ルカ」という名前が付いていて、エドガーと知り合いだったことが分かるやりとりがある。クリスティーナに締め付けられて苦しむ声の演技がとても良い。

  • 『誇り』

 前半はイベントストーリー第6話に含まれる内容とだいたい同じ。ただエドガーがアレクサンドラとナイフでやりあう場面が加わり、ミリシタのMVにより近くなっている。
 城に帰ったアレクサンドラが正体をさらしたエレオノーラに切りかかる場面。やはり油断というか、アレクサンドラはヴァンパイアになる道を選ぶと疑っていなかったことが死に繋がっている。切り付けられたときの当惑。「ああ……そう……アレクサンドラ……あなたは……。そうだったの?……知らなかったわ……。」この台詞は語られてない設定があるというよりは、自分がヴァンパイアになったときの迷いのない選択と比べているのだと考えたい。実際、姉妹がこれ以上の不幸を味わわないためにはアレクサンドラがヴァンパイアになるしかなかったはずで……。

  • 『ひかりさす』

 エレオノーラが人間だったときのことが初めて語られる。「この城は呪われている、ヴァンパイアがいる」と叫ぶ暴徒。その人間たちに殺された元夫と娘のアンジェラ。逃げ出した彼女の前に現れた一人のヴァンパイア(「彼」)。「復讐したいか?」と聞かれて迷うことなくヴァンパイアとして生きていくことを選ぶエレオノーラ。「虚ろな世界、壊してしまって…創り直すの」という歌詞の背景にあるのは彼女の深い絶望か。

  • 『Overture』

 preludeとovertureはどちらもだいたい「始まりの曲」の意味でいまひとつ違いが分からなかったが、インターネット上にはこの疑問に対する回答が無数に存在して、それによるとovertureはその後のオペラのあらすじのような内容を含む音楽である一方、preludeはもっと広く開幕に合わせて演奏される楽曲らしい。具体例を知らないので曖昧だけど。「昏き星、遠い月」がoverture的な楽曲ということになる?

overture : 序曲 - Wikipedia
prelude : 前奏曲 - Wikipedia

 エレオノーラが言ったようにノエルがヴァンパイアとして覚醒する凶兆を見せてこの物語の幕は下りる。こちらでははっきりとは言っていなかったが、アレクサンドラはノエルが人を襲うようになれば殺す決意を持って旅に出たはず。姉妹の旅はどこで終わるのだろう。


 考察。さて、イベントストーリーとの一番大きな相違点はクリスティーナが男であると直接的な言及がないことだろう。加えてクリスティーナの「罪」にも直接触れられていない。とはいえそれらの設定が消えてしまったと考えるともはや別作品、可能な限りどちらも採り入れる立場で*1
 「昏き星、遠い月」のラストに語られる「愛し子」を重視してCD購入以前に検討していた、クリスティーナがエレオノーラの実子であったりエレオノーラが人間であったりする可能性はもうほとんど消えたといっていい。新たに浮かんでくるのは娘のアンジェラが実は生き残っていてエドガーとして育った……といった可能性。
 「腐った世界」から逃げ出して理想郷を探すのがエドガー、壊して作り直そうとするのがエレオノーラ。エドガーの誘いに乗るのがクリスティーナ、エレオノーラの甘言を拒んだのがアレクサンドラ。「黒」側と「白」側(舞台衣装)にそういった対比はあるものの、エドガーとエレオノーラを血縁関係で結ぶべき理由としては薄い。やはりアンジェラは本当に幼くして死んでしまったと考えるのが妥当か。
 主要人物4人の関係については、今のところどの2人の間にも血縁関係を仮定することに合理的な理由はないと思う。

 しかしエレオノーラとクリスティーナの関係がなおも問題であることに変わりはない。エレオノーラの前に現れたのは男のヴァンパイアらしいので即座に「クリスティーナがエレオノーラをヴァンパイアに変えた」説の補強になると考えた。
 しかしエレオノーラが人間だったころの城にヴァンパイアがいるという噂が立ったのは何が原因だったか。その後に現れたヴァンパイアとの関係は?
 エレオノーラの正体をクリスティーナが知っている理由としてこれを採り続けるためには、同時に説明すべきことがちょっと多すぎる。

 点と点を無理やり繋いで新しく次の説を立てる。

 エレオノーラを見そめた男のヴァンパイアが民衆を扇動して彼女の城を襲わせる。「あの城にはヴァンパイアがいる。」愛する娘と夫を失いながら、命からがら逃げだしたエレオノーラの前にそのヴァンパイアが現れ、ヴァンパイアになって人間たちに復讐するという道を示す。「復讐したいか?」他の選択肢は考えられなかった。そうして一人のヴァンパイアが生まれる。

 時が経ち、あの日の悲劇がその男の仕組んだものだったと知ったエレオノーラは、彼を殺して復讐を果たすと同時に、全ての悪しきヴァンパイアを滅ぼすことを誓う。単身ヴァンパイアを殺しながら、更に力を蓄えるため軍を従える辺境伯に取り入る。そして噂に聞く「不浄を祓う剣の使い手」を側に置くためアレクサンドラ一家の屋敷を襲う。

 さらに月日が流れ、あるとき国王から辺境伯へヴァンパイア討滅の勅令が下る。辺境伯夫人エレオノーラは街に侵入したらしいヴァンパイアの捜索と退治をアレクサンドラに命じる。しかしそのヴァンパイア、クリスティーナの目的はエレオノーラに殺された同族たちのための復讐だった。二度目の接触でクリスティーナはアレクサンドラにエレオノーラの秘密を教える。クリスティーナが目論んだ通り、アレクサンドラはエレオノーラを殺す。

 エレオノーラにとって、アレクサンドラがヴァンパイアとして生きることを拒むなど予想もしていないことだった。ヴァンパイアになれば愛する妹と永遠に生きていくことができるのに。自分がかつてそうしたように。

 ……この説だとクリスティーナが男であってもなくても変わりがないかも。しかしエレオノーラの城がよりによって「ヴァンパイアがいる」という噂のために襲われた事件と、その直後にヴァンパイアが現れた理由の関係を無理なく繋ぐにはこれくらいしか考えられない。いっそクリスティーナが男であるという設定が生きているとしても他の何にも関係していない、と考えたほうが楽。
 隠された出来事があるとすれば、人間を憎むべき過去を持つエレオノーラが「ヴァンパイアの淘汰」に心血を注ぐようになったきっかけだろう。強いヴァンパイアを集めてやがて人間たちの世界を壊そうとしていた? 軍を従えたり(アレクサンドラは「辺境伯夫人の軍」という言葉を口にしている)、祓魔の騎士:アレクサンドラを獲得したのは「復讐」が原動力になっていることは間違いないと思う。しかし何に対して?


 難しい。まあ答えがすべて明白になってしまわず、語れる部分が残されているので良かった。たぶんまだ何か思いつくたびに追記していく。


 ……ところでちょうど一か月後の3月28日はMTG06"Cleasky"のCDの発売日。そのドラマパートは「昏き星、遠い月」より分量が多いという朗報がある(dareradi第89回の角元さんの発言)。オープニング曲としての「虹色letters」はこのストーリーによって完成するものであるはず。「未送信letter」と二人の手にある手紙の間を繋ぐ出来事とは……。バレンタインの生放送でも二人して「エモい」と言っていたドラマCD、「昏き星、遠い月」を聞いた後では更に期待が高まる。

www.youtube.com
あまりにもいい……二人の優しい声に切なげな笑顔、目を合わせるところとか「未送信letter」の手を繋いで歩くような振り付けとか……。


(3/3追記)
 製作者の意図がどうあれ、それが明らかにされない以上作品解釈に正解不正解は決められない(し相異なる解釈で楽しむべきだ)と思うけれど、イベントコミュとCDのボイスドラマはやはりある程度区別したほうがよさそうだという考えに傾きつつある。……端的に言うと、CDではクリスティーナが男だという設定は反映されていないのではないかと。多くの人にとっての困惑の種になっているのではないだろうか。

 この物語の登場人物たちそれぞれが秘密を抱えている、というのはストーリーの重要な要素だった。このことはイベント終了後に届いたメールでも千鶴さんが語っている。

 ところで、お気付きでして?
 『昏き星、遠い月』の登場人物達には、
 全員、秘密があったことに……。 

 クリスティーナは自分が男で、ヴァンパイアであること。そして「罪」。
 エドガーは自分が女であること。
 エレオノーラは自分がヴァンパイアであること(と過去?)。
 アレクサンドラは妹ノエルがヴァンパイアになったこと(それを妹に教えていないという秘密)。

 エドガーにとって、自分が女であることを知られるのは弱みを晒すようなことだった。それを本人の意図に反して知ってしまったかわりに、クリスティーナは自分が男であると明かした。しかしクリスティーナの秘密はそれひとつではない。もうひとつの秘密、自分がヴァンパイアであることはまだ隠していた。そして、自分がヴァンパイアの力を発揮する姿を見られたくなかったがためにエドガーは不良に襲われてしまう。

 イベントコミュでは互いの秘密を明かす場面は物語の進行上非常に重要だった。それに美しい。人間ひとりの生殺与奪を握るに十分な力をもつヴァンパイアの家で、性を偽ってまで強く生きようとする少女が介抱されている図。クリスティーナの住処でエドガーが目覚めて会話する場面、絶対に舞台で見たい……。

 一方CDではクリスティーナはエドガーが女であると「偶然知ってしまっ」ている。そう言われたあとのエドガーの反応もずいぶん軽い。CDとコミュは相補的で両方聞いて初めて全体像が分かるようになっている、という考えも否定しきれないとはいえ、そこまで慎重に組み立てているならこの重要なポイントを変えるのはちょっと変。そういった理由で、単に言及されていないのではなくCDのクリスティーナは男として設定されていないのではないかと疑ってしまう。

また追記
 (作り手の方々がニコ生やリスアニ!等でこの作品について語られるのを目にする機会が増えるにつれ、CDとゲームとで設定が異なると考える態度こそが不誠実に思われてくる)というか曲とシナリオ作りが同時に進行していたのは明らかなのでメタ的に見てもやはりクリスティーナは男だと考えたい。少なくとも秘密を明かすタイミングが異なっている点については別のルートが選ばれとみなせばいける。そういえばこの作品はそういう要素のあるゲームの作中作だった。アイドルマスターミリオンライブ!

*1:イベントストーリーだけをもとにして色々考えたように、このCDドラマだけを材料にして考察するのもありだと思うけど

「昏き星、遠い月」公演前の

 アイドルマスター ミリオンライブ!5周年おめでとうごさいます。

 "THE IDOLM@STER MILLION THEATER GENERATION 05 夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-"の発売日は明日2月28日。イベント終了から1か月と少し。長かった。「合言葉はスタートアップ!」、「Princess Be Ambitious!!」・MS06CD発売、田中琴葉さんの〈資料運び〉解放、「虹色letters」等この間に色々あった。
 フラゲの前に、前回の記事の後に考えたこと見たことなどを書き残しておく。CDのドラマパートで全ての答えが明確になるとは限らないものの、イベントストーリー+フルサイズしかない今*1想像していることのいくつかはきっと無に帰してしまうはずなので……。

前の記事の要点

shironetsu.hatenadiary.com
 追記部分以外はフル尺公開前のもの。「愛し子」を重視しない考察。永吉さんに頼まれてプロデューサーが死体役になるという一見ギャグっぽい場面が挟まれることで、不良ふたりを瞬殺したクリスティーナの強さから注意が逸らされるという仕掛けをいま一度味わってほしい……。この点に限らず全体的に叙述トリック的な面白みがあるのが良い。練習を眺めているプロデューサーとしての視点は本来筋書きを一番理解しているはずなので。
 前の記事の読みは「故意に言及しないこと」はあっても嘘は含まれないと考えている点でかなり素直。おおよそ次の推測が骨子。

  • クリスティーナがエレオノーラをヴァンパイアに変えた。クリスティーナの言う「罪」はこのこと。
  • クリスティーナは自分が生んだエレオノーラという怪物(同族を「淘汰」の名のもとに殺している)を討つためスラム街に潜伏していた。
  • エドガーによるアレクサンドラへの説得が功を奏し窮地を脱すると、彼女にエレオノーラの秘密を暴露することで殺害を教唆して遂に「罪」を清算した。

 
 クリスティーナとエレオノーラの関係はストーリー中で言及がないため諸々の描写から推察するしかない。はっきりしているのは「クリスティーナはエレオノーラの正体をアレクサンドラに教えた」ということだけ。エレオノーラの側がクリスティーナのことを知っているかどうかさえ明確ではない。そういった色々の断片的な要素がうまく整合する仮説として選んだのが「クリスティーナがエレオノーラをヴァンパイアに変えた」だった。今に至るまで特に反証も思いついていない(エレオノーラ側の感情が若干弱いかなという気はするが)。


「愛し子」

 イベント終了後先行配信された「昏き星、遠い月」フルバージョン。そのラストの「愛し子」を踏まえると先の説は、しかしなんとも弱い。

ねえ……とても愛していたわ……本当よ?……私の愛し子……。

 百瀬莉緒ーーーー!!!!!!!!昨日公開されたメインコミュ第17話見ましたか?……普段はあんな感じの気さくなお姉さんなのに……こんな息も絶え絶えの「悪女」が最期に思った誰にも届かない愛を迫真の演技で……
 さて。「愛し子」という語はストーリーコミュ中でも口にしている。ただしアレクサンドラの妹ノエルに対して。

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 「まるで私の愛し子」という表現、これだけを聞いても実の娘ではないノエルに向ける言葉として不自然なところはないが、上の台詞を聞いた後では「本当の愛し子」がいる可能性を考慮に入れざるを得ない。 そのうえこういう話があった(コメントくれた方もありがとうございます)

マリア・エレオノーラ・フォン・ブランデンブルク - Wikipedia
クリスティーナ (スウェーデン女王) - Wikipedia
>1636年、マリアは娘クリスティーナを監禁したが、のちにマリアは反逆の疑いをかけられてデンマークへ亡命し、王族としての特権を剥奪され、事実上スウェーデンから追放された。1643年にブランデンブルクへ渡った。
>マリアは1648年に再びスウェーデンへ戻ったが、クリスティーナとの親子関係が修復することは二度となかった。

Leonora Christina Ulfeldt - Wikipedia
 ほぼ同時代の17世紀中ごろににデンマークでもレオノーラ・クリスティーナ・ウルフェルト*2も20余年に渡る幽閉生活をコペンハーゲン城の「青い塔」で送っている。母子関係が原因ではないけど。


 もちろん実在していた人物から名前を取っているのだとしても境遇を直接なぞっているはずはない。しかしこれを見ると、エレオノーラはクリスティーナの実子・監禁・逃亡・親子間の確執……などと想像を膨らませずにはいられない。

 そう思いながら再度ストーリーコミュを見ると、ヴァンパイアになったノエルを眠らせる香をエレオノーラが持っていた理由も違ってくる。元はクリスティーナを眠らせるために使っていた? 他のいくつかの要素も併せて次の説が立てられる。

 エレオノーラは実の子であるクリスティーナを香で眠らせながら長年監禁していた。しかしあるときクリスティーナは目覚め、逃亡して自由の身となった。ヴァンパイアとしての生を苦痛そのものと考えるエレオノーラは、クリスティーナの行方を捜し死をもって安らぎを与えようとする。
 数年後、配下のアレクサンドラはクリスティーナを探し当てるが、「エレオノーラの正体はヴァンパイアである」という秘密のみを携えて帰ってくる。秘密を知っているのはただひとりだったはず。「愛し子」クリスティーナは自らの正体を、ヴァンパイアを憎むアレクサンドラに教えた。アレクサンドラを通じて届いた、生きる決意と離別のメッセージ。母としての役割の終焉。我が子が死を拒んだ一方で、死を受け入れたエレオノーラはアレクサンドラに嘘の動機(弱いヴァンパイアの淘汰と王国の建設)を話しながら自分を殺すように仕向けた。アレクサンドラの一振りでエレオノーラは致命傷を負い、薄れゆく意識の中で思う。「ねえ……とても愛していたわ……本当よ?……私の愛し子……」

 エレオノーラが死を受け入れたと考える理由のひとつは、強力なはずの彼女が実戦経験に乏しいはずのアレクサンドラに抵抗しているように見えないから。しかしヴァンパイアはそもそも不死であるはず。この点から疑うこともできる。


エレオノーラの正体

 ヴァンパイアになると「二度と死ねなくなる」とはクリスティーナの台詞として歌詞にも含まれている。一方で血液を摂取しなければ死んでしまうともエドガーには話している。単純に考えれば寿命が無いかあるいは人間よりはるかに長い、つまり自死を選ぶ以外に死ぬ方法がないということだろう。だからエレオノーラが殺されてしまったことが直接ヴァンパイアであることを疑うべき理由にはならない。
 ……とはいえエレオノーラが実はヴァンパイアでないという可能性には一考の余地がある。何せアレクサンドラとエレオノーラの会話以外にそうと分かる描写がない。そのうえアレクサンドラはヴァンパイアを見分けることができないと来ている。

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(アレクサンドラがクリスティーナ・エドガーと出会った場面)

 そうなると死に際のエレオノーラの言葉の嘘をついていたと考えるべき部分が増える。大筋は上のままで、エレオノーラが人間であるとの説に基づくとこうなる;

 クリスティーナは母が全てを背負ってくれるだろうと確信して、実際には人間であるエレオノーラの正体がヴァンパイアであるとの嘘の秘密をアレクサンドラに教えた。我が子を愛するエレオノーラはアレクサンドラの言葉に合わせて自分がヴァンパイアを探す理由を偽った。同時に、アレクサンドラの父母を殺してノエルをヴァンパイアに変えたのは自分であるとも――実際にあの日屋敷を襲ったのはクリスティーナだったのに。真実は自分の死と共に葬られ、過去から切り離されたクリスティーナは自由になる。

 母子の心の読み合いが異常に高度になって良い。捩じれきった愛の形。ノエルをヴァンパイアに変えたことがクリスティーナの「罪」であるとの考えを以前は否定していたが、この説では少なくともそのひとつとして復活しうる。……まあちょっと無理がある感は否めない。
 

クリスティーナの罪

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 クリスティーナの罪。結局何なのか? この解釈によって可能性はもっと分岐しうる。事実としてエドガーと旅に出ることができない理由であった「罪」、クリスティーナにとってあの街に縛り付けていた軛であったわけだが、どのように縛り付けていたのか?

  • 「クリスティーナがエレオノーラをヴァンパイアに変えた」説……エレオノーラをヴァンパイアに変えたこと。彼女を討つための使命を果たすまで街を離れられない。
  • 「母エレオノーラが死を与えることで子クリスティーナを救おうとした」説……母から逃げたこと?命を狙われている以上エドガーを巻き添えにはできない。
  • 「エレオノーラは人間である」説……アレクサンドラ一家を襲ったこと?同上。

 瀕死のエドガーにここで死ぬかヴァンパイアになるか選択を迫る場面で苦しんでいることからは、人間を食糧とするしかないヴァンパイアとしての生そのものを罪だと考えているようにも見える。もしくは人間を殺さずにヴァンパイアに変えてしまうことか。考え始めるとどれもそれなりに魅力があって決定打となる証拠に欠ける。

 「罪」がどのような形で解消されたのであろうと(あるいは解消されたわけではないのだとしても)ヴァンパイアとしての空虚で孤独な生を送っていたクリスティーナがエドガーとの出会いによって変化したのは確か。

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 この「少し変わった形のボーイ・ミーツ・ガール」の背景に何があるのか、間もなく始まる本公演:CDのドラマパートでどこまで明かされるか楽しみ。

www.lantis.jp

*1:先日2曲目の"Everlasting"が誤って配信されて取り逃されるということがありましたね。勢いで購入してしまったが結局聞いていない。

*2:ポール・アンダーソンによるハードSF『タウ・ゼロ』Tau Zeroの宇宙船Leonora Christineの由来らしい。エンジンが故障して故郷との相対速度が光速に近づいていくこの宇宙船の中に乗員たちは閉じ込められ、宇宙が年老いていく様子を目の当たりにする。読んで。