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デレステFascinateイベントコミュのタイトルはSF小説

 VelvetRose。黒埼ちとせと白雪千夜。 2019年2月26日に突如デレステの予告に登場しあらゆる話題を掻っ攫っていった2人。

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 驚きどころには尽きないが、自分はこれで敗北してしまった。
 イベントコミュのタイトルがSF小説のタイトルから採られているのだ。

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 サブタイトルにSF小説のタイトルを付けるやつに人類は勝てない……。
 それぞれの基となった小説(原著は英語だがすべて邦訳がある)を簡単にまとめる*1

オープニング "Inherit the Stars"

James P. Hogan, Inherit the Stars (1977, Del Rey Books)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/d/d8/Inherit-Stars.jpg
Giants (series) - Wikipedia

邦訳
ジェームズ・P・ホーガン(池 央耿訳)『星を継ぐもの』(1980、東京創元社
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51GMQM4MC4L._SX335_BO1,204,203,200_.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/448866301X


第1話 "Tonight We Steal the Stars"

John Jakes, Tonight We Steal the Stars (1969, Ace Books)
http://www.isfdb.org/wiki/images/6/68/TWSTSTWW1969Both.jpg
Publication: Tonight We Steal the Stars / The Wagered World

邦訳
ジョン・ジェイクス野田昌宏訳)『今宵われら星を奪う』(1979、早川書房
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51AJa5XITwL._SX347_BO1,204,203,200_.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J8DQTU

 他のタイトルに比べて圧倒的にマイナー*2。全3作のスペースオペラのシリーズものだがひとつは未訳。ストーリーが先にあって"steal", "star"のキーワードなんかで見つけたのではないかと想像している。


第2話 "Brightness falls…"

James Tiptree Jr., Brightness Falls from the Air (1985, Tor Books)
https://en.wikipedia.org/wiki/File:Brightness_Falls_from_the_Air_1st_edition.jpghttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/9/9b/Brightness_Falls_from_the_Air_1st_edition.jpg
Brightness Falls from the Air - Wikipedia

邦訳
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア浅倉久志訳)『輝くもの天より堕ち』(2007、早川書房
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41zWL-qoS4L._SX354_BO1,204,203,200_.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/4150116237

 Brightness Falls というタイトルの小説もあるらしいが、SF小説縛り、知名度を考えると明らかに"..."でfrom the Airが省略されているのだけだとおもう。
Brightness Falls - Wikipedia


第3話 "If the Stars Are Gods"

Gregory Benford and Gordon Eklund, If the Stars Are Gods (1977, Berkley Books)
http://www.isfdb.org/wiki/images/c/ca/FTHSTRSRGD1977.jpg
Publication: If the Stars Are Gods

邦訳
グレゴリイ・ベンフォード&ゴードン・エクランド(宮脇孝雄訳)『もし星が神ならば』(1988、早川書房
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/516BpMcRwuL._SX345_BO1,204,203,200_.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/4150108021

 知名度ではやや劣る(しかも絶版状態)が、とても好きなSFタイトルなのでこうして使われるのをみると本当に嬉しくなってしまう。鋭い人はオープニングのタイトルでSF小説からタイトルを採っていることに気付けたはずだが、自分はこの"If the Stars Are Gods"が表示されたときにようやく気付いた。


第4話 "Moon is a Harsh Mistress"

Robert A. Heinlein, The Moon Is a Harsh Mistress (1966, G. P. Putnam's Sons)
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/c/c0/The_Moon_Is_A_Harsh_Mistress_%28book%29.jpg
The Moon Is a Harsh Mistress - Wikipedia

邦訳
ロバート・A・ハインライン矢野徹訳)『月は無慈悲な夜の女王』(1969、早川書房
https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41RyO7hWdJL.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/B00DM4ZH3Q


第5話 "Lights in the Sky Are Stars"

Fredric Brown, The Lights in the Sky Are Stars (1953, E. P. Dutton)
http://www.isfdb.org/wiki/images/5/5e/THLGHTSNTB1953.jpg
Publication: The Lights in the Sky Are Stars


フレドリック・A・ブラウン(田中融二訳)『天の光はすべて星』(1964年、早川書房
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41aC26ASCEL._SX348_BO1,204,203,200_.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/4150116792

 ちなみにこのほぼ直訳の邦題が付く前に『星に憑かれた男』の題でも出版されていた。
天の光はすべて星 - Wikipedia



さて、見てのとおりタイトルの共通点は星と月(第2話のbrightnessもだいたい天体だと辻褄合わせをして)。星と月……?*3

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 そもそもなぜSF小説から採ったのか。『月は無慈悲な夜の女王』『天の光はすべて星』などは「すてきな小説のタイトル」として普段から話題になるくらいもともと強いのでSFであること自体にそれほど深い理由はないだろう。まあライターがSFを好きでないとこんなことはしないはずで、なんにせよ嬉しい。
 ストーリーの内容と照らし合わせてみると実はそこそこうまくそのタイトルがあてられた理由付けができそうなので、starとmoonが指すものに注意しながら考えてみるのも一興かもしれない。


エンディングについて

 イベントコミュにはまだあと1話、イベント終了後に解放されるエンディングが残っている。
 何になるだろう? 短編になるが最強クラスSFタイトルであるラリイ・ニーヴンの『無常の月』(Inconstant Moon)が使われたらちょうどいいなと思う。これは黒埼ちとせに付き従ってきて、自分の輝きを知らなかった白雪千夜が変わり始める物語なので……。
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51F6dMScTNL._SX335_BO1,204,203,200_.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/4150121737
(長らく絶版状態だったが最近新しい訳が出た。読もう。)


エンディング "The End of Eternity"

(3月9日追記)
 LIVE Groove Visual burst "Fascinate"イベントは3月7日に終了。翌3月8日にエンディングが公開。
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Isaac Asimov, The End of Eternity (Doubleday, 1955)
http://www.isfdb.org/wiki/images/4/47/THNDFTRNTD1955.jpg
http://www.isfdb.org/cgi-bin/pl.cgi?214833

アイザック・アシモフ深町眞理子訳) 『永遠の終り』 (1977、早川書房
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51iHqyuLz1L._SY498_BO1,204,203,200_.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/4150102694

 永遠の終り……そうきたか……。星でも月でもなかった。
 それにしても「変化」を「永遠の終り」と表現するところにこのふたりの在り方が象徴されている。

営業コミュ "The Door into Summer"

(9月6日(幕張公演Comical Pops2日後)追記)


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Robert A. Heinlein, The Door Into Summer (Doubleday, 1957)
http://www.isfdb.org/wiki/images/5/53/DOORINTS1957.jpg
Title: The Door Into Summer

ロバート・A・ハインライン小尾芙佐 訳)『夏への扉[新訳版]』(2009、早川書房*4
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41i94BLdluL._SX309_BO1,204,203,200_.jpg
https://www.amazon.co.jp/dp/4152090596

 7月29日に北東エリアの営業コミュとして追加されたVelvet Roseによる"The Door into Summer"。Moon is a Harsh Mistress月は無慈悲な夜の女王』に続いてハインライン2作目。猫つながりでの採用というのが最大の理由だと思うが、深読みしてはいけないという理由はない。
 2人きりのコミュはこの調子で続くのだろうか?次が一体どれだけ先になるのかわからないが…。

*1:原著の画像は初版を選んだ。邦訳はとくに拘らなかったが、だいたい文庫化された最新の版になっているはず。と言っても現在書店で手に入るのは『星を継ぐもの』・『月は無慈悲な夜の女王』・『天の光はすべて星』の3つで『輝くもの天より堕ち』はやや怪しい。『今宵われら星を奪う』・『もし星が神ならば』は古本でしか手に入らない。

*2:と思っていたが後々調べてみるとタイトルの良いSFとして結構知られていたらしいことが検索するとうかがわれる。シリーズ第1作『星界の王死すとき』に載っている訳者:野田昌宏によるあとがきには「私が、ジョン・ジェイクスの<第二銀河系シリーズ>にはじめて眼をつけたのは、この作品群――といっても三冊しかないのだが――のタイトルのカッコよさであった」とある。

*3:「昏き星、遠い月」は約1年前に公開されたアイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズの楽曲とゲーム内ドラマ。こちらもヴァンパイアもの。シルエットの公開時点から黒埼ちとせの風貌が「昏き星、遠い月」歌唱ユニット「夜想令嬢」のひとり、百瀬莉緒に似ているということでもちょっと話題に。

*4:福島正実訳の文庫版も読まれ続けている。