Shironetsu Blog

@shironetsuのブログ

2015-01-01から1年間の記事一覧

クロックワーク・ロケットをよむ

SF

!!注意!! グレッグ・イーガン『クロックワーク・ロケット』のネタバレを含みます。 (ヤルダの法則) 2015年12月18日に早川書房から出版されたグレッグ・イーガンの『クロックワーク・ロケット』。クロックワーク・ロケット (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作…

一般フィボナッチ数列の周期について(2)

(1)の続き.shironetsu.hatenadiary.com (1)の記事で実数列としてのフィボナッチ数列について一通り説明した. ここからは整数列としてのフィボナッチ数列の性質を見ていく. 用語の定義 そのまえに, 整除性の話を始めるために, ここから成分は特に述べない限り…

一般フィボナッチ数列の周期について(1)

祖先型の目で眺めたこの惑星は, 十分近づいても赤道と極以外に陸地が無いように見える.しかし周回軌道上でよく目を凝らせばその勘違いが, 青色と海を結びつける先入観に起因するものだと気付く. あるところでは群れをなし, またあるところでは毛羽立ち, 赤道…

2次元・3次元ラグランジュ点の位置と安定性

私を無理矢理平面の肉体に押し込み、案内役も無しにこの宇宙を探索させた〈圧搾者〉も、精神の消失からは私を保護してくれたようだった。復活した直後の安堵と微睡みのなか視野に飛び込んできたのは星空だった。やはり2πラジアンの。しかし今度は赤い太陽は…

燠火(解説)

グレッグ・イーガン『白熱光』、ハル・クレメント『重力の使命』*1、ロバート・L・フォワード『竜の卵』、スティーブン・バクスター『天の筏』、ラリイ・ニーヴン『インテグラル・ツリー』、そしてアーサー・C・クラークや野尻抱介の多くの短編……等々多くのS…

燠火(後半)

同類――私と同じくプレスされた人間?この世界についての有益な情報を得るためか、単に共感を求めるためか、危険の可能性を省みることなど忘れた私は一心不乱にコンタクトの手段をこの体の中から見つけるべく、再度まだ使っていない感覚を探った。まずはこち…

燠火(前半)

目覚めた私が捉えたのは2πラジアンの視野だった――4πステラジアンではなく。そのうち半分よりいくらか少ない領域はいくらか眩しさを感じる赤い光の線が占め、もう半分にはわずかに赤みがかったり青みがかったりしている弱く白い光点が所々に混ざった暗い線が…

金属があることから

先日の記事で 「これを記した筆者は重力理論の検証を兼ねた宇宙開発を目指している。しかしこの星には鉱物資源が無いため苦労することになるかもしれない。」 と書いた。 「作業仮説」スポイラー補足解説 - Shironetsu Blog 当初はこのネタをもっと膨らませ…

一般次元のマクスウェル方程式と重力のこと

n+1次元マクスウェル方程式 「作業仮説」の中でフルルッデに重力理論としてのマクスウェル方程式を導かせた。 shironetsu.hatenadiary.com しかし、 ローレンツ力を電磁場テンソルの(n+1)元速度の内部積として定義したこと。 同符号間に引力が働くとしたこと…

「作業仮説」スポイラー補足解説

「もし私たちが水中にしか棲めないお魚であったならば、どんなに脳味噌が発達していたとしても、このような基礎物理法則に到達することはできなかったであろう。」 (横山順一『電磁気学』(講談社)) 1年冬学期の電磁気の授業で使われた教科書に書かれてい…

「作業仮説」というSFもどきを書いた

「作業仮説」というイーガンの真似っぽいSFを書いた。 http://ux.getuploader.com/icdc_515/download/7/working_hypothesis.pdf (ダウンロードは上記URLリンク先ダウンローダーから) スポイラー補足説明記事を同時に上げるのでそちらで内容について触れる…

新天地

ブログを数式で埋めたら読み込むまでに永遠の時間が流れてしまうようになったため整理しようと思ったが、当然そんな気力も無かったので最初から付いていたのに使わずにいてもったいなかった未使用のブログにやってきた。