小さな非可換単純群 - PSL(2,p)
イントロ
ヴァレンティナー群と6次交代群の8次元表現
- 正20面体群ミニマム
- ヴァレンティナー群を見つける
- 交代群の被覆群
- SU(3)の有限部分群
- 8次元表現
- 6次対称群の16次元表現.
- まとめとこれから
- リファレンス
つづき.
ヴァレンティナー群(Valentiner group)の存在を知っていながら6次交代群の8次元既約表現の構成法がよくわからない, というのはさすがに鈍かった. .
初めに要点だけ説明する.
正20面体群が複素射影平面に作用すると考える. 射影変換をひとつ加えることで, 新たに生成される群がの部分群として有限になるようにできる. この群は6次交代群に同型になる. これをに引き戻すと, に同型な中心を持つ6次交代群の3重被覆になる. これがヴァレンティナー群である. の部分群として得たヴァレンティナー群から, の随伴表現の制限によって8次元表現を作る. これがの忠実な既約表現になる.
続きを読む6次対称群指標表手作り体験記
- はじめに
- 6次対称群のユニタリ既約表現
- 1表現
- 1'表現
- 5I表現
- 5I'表現
- 5II表現
- 6次対称群の外部自己同型写像
- 5II'表現
- 9表現
- 9'表現
- 10表現
- 10'表現
- 16表現
- クリフォード代数
- まとめ
- 追記(7/8)
- リファレンス
はじめに
定理:対称群の自己同型群
に対して*1,
6次の対称群は異常な性質を有している. 対称群の中で唯一外部自己同型写像が存在するのである(自分はこの事実を次の講義ノートで知った. 物理数学III (2017) )
引用を含む引用になるが,
このような例外的な同型対応が,交代群 のところに集中して現れていること
は注目すべきことである。この群は,この性質故に(小さい群であることももちろんあるだろうが),様々な場面で出くわすものである。 を見るたびに,鈴木通夫先生の「群論」[1]の一節( を受けて)
この例外が有限群論に及ぼす影響は非常に大きく,単純群論をとても困難なものにしている大きな理由の一つである
を思い出すものである。例外的な自己同型があるため, を指数2で含む群として,
という3つが存在しうるのである。
らしい[2]. なお「このような例外的な同型対応」はその前段で述べられている, 異なる系列の有限単純群間の同型対応を指している.
念のため注意しておくと, この引用を除いて本記事中では対称群と交代群には(フラクトゥールのSとA)を当てる. 後々の記号の衝突を避けるため.
さて, 本記事ではこのの既約ユニタリ表現を求めることを目的にしている.
対称群の既約表現の理論は非常によく整えられており, 既約指標も表現行列もそれを求めてしまう一般的な方法が存在する[3,4]. しかしちょっと味気ない. できれば既約表現それぞれの個性を感じたい.
とはいえ道標はあったほうが良いので指標表は先に載せてしまおう. 一般論を知らなくても, 簡単に求められる5次元既約表現の直積表現の分解(既約指標の直交性を利用しながら. 対称群の指標は一般に整数に限られることも利用できる)から他の既約表現の指標も出てくる.
各既約表現は次元のボールド体と付加的な記号(I,II,プライム)によって区別する.
に関する基本的な事実. 6の分割は11通り.
それぞれ
と略記. 各分割に置換の型が対応し, 同時に共役類にも対応するのでこれらを同じ記号で表す.
既約表現は共役類の数に等しく11個. 各共役類の大きさ, 符号は表に書かれている通り. ヤング図形についてはほとんど触れないが, 既約表現の次元は対応する分割のヤング図形の標準盤の数に等しいことを述べておく[3,5].
ここから各既約表現を見ていく.
球面調和関数で正20面体をつくる(5) - クラインの不変式論
再びSU(2)
の扱いやすさの理由のひとつは, 2変数斉次多項式の張る線形空間が次数ごとに既約表現空間になっていて, 逆に既約表現はそれで尽くされるからだった.
より正しく言うと, 上の2変数多項式環の元に対して,
の作用を
で定めると, は表現になるが, について次()の斉次多項式の全体が最高ウェイトの既約表現空間になり, の既約表現はそのいずれかに同値になるということ.
正規直交基底を
と取ることでエルミート内積を定めると, 表現行列;ウィグナーのD行列はユニタリ行列になる.
これにより正20面体群不変な球面上の関数を構成する問題が, 2変数多項式環上の2項正20面体群の不変式環を定める問題に還元される.
不変式
少なくともシュワルツ Karl Hermann Amandus Schwarzは2項正20面体群の不変式を既に求めていたらしい[1]. まず正20面体の頂点, 面の重心, 辺の中点を単位球面上に投影する. 1次分数変換として実現される2項正20面体群の作用によって各々の全体は不変である. 次に立体射影によってリーマン球面, 複素射影直線上の点にそれらを対応付ける. 上の斉次座標で表される多項式で, その複素平面上の点たちを零点にもつものは2項正20面体群の作用によって不変になる.
クライン Felix Kleinが気付いたのは, 頂点に対応する不変式さえ直接求めれば残り2つは簡単に決められることだった[1].
シュワルツ・クラインと同じようにリーマン球面の斉次座標の多項式として議論してもよいが, 我々はスピノルを知っているのでその形式で考えることにする. 本質的には全く同じ.
球面調和関数で正20面体をつくる(4) - 2項正20面体群とマッカイ対応
- 2項正20面体群
- 自然表現
- 共役類
- 指標表
- マッカイ対応
- リファレンス
2項正20面体群
関連書をいくつか読む中で, この前まで「2重正20面体群」と呼んでいたものには「2項正20面体群」binary icosahedral groupという広く通用する名称があることが分かった. 記号についてはそれほど固く定まっているわけではないものの, 正20面体群をカリグラフィーの, 2項正20面体群はチルダをつけてとする表記を見て[1], 都合が良いのでこの記事からそうすることにする(単なるIはフォントの都合で潰れがちという難がある).
ついでにいわゆる黄金数もこれまではで表していたが, ここからはで表すことにする. 余計な記号の変更は本来避けるべきだが. (統一のためそのうち過去記事のほうを変更する)
高坂海美呼称表手作り体験記
グリー版ミリオンライブ終了まで1週間を切った。悲しい。「思い出」にアクセスできる今しかできないことをやっておきたくて、高坂海美さんの他の人々に対する呼び名をまとめることにした。呼称表なんて太古から作られてきているものがインターネット上でいくらでも見られるけれど、ソースに直接あたることができるのはこの残されたわずかな期間だけ。自力でやってみたかった(ついでにスクショ作業の大変さを知っておきたかった)。下のほうに参考画像。
- 五十音順。参考のため、年上 : >、同い年 : =、年下 : < の記号を付記。
- 詳しくは下のほうに書いているが、ミリシタ及びコミカライズ「Blooming Clover」ソースも混在している。表中では括弧で注意を促す。特に注記の無いものはグリー版。
- 2020年1月20日更新。本記事の作成は上述の通りグリー版ミリオンライブ終了前の2018年3月13日だが、それ以降も随時追加している。
- ※印付きは自分では確認できなかったソースに基づくもの。
名前 | 年齢 | 呼び | 呼ばれ |
---|---|---|---|
青羽美咲 | 20> | 美咲ちゃん | ? |
秋月律子 | 19> | 律子さん | 海美※ |
天海春香 | 17> | 春香さん | 海美ちゃん |
伊吹翼 | 14< | バサバサ | 海美さん |
エミリー | 13< | えみりん(ミリシタ) | 海美さん(ミリシタ) |
大神環 | 12< | 環 | うみみ |
春日未来 | 14< | みらいっち | 海美さん |
我那覇響 | 16= | 響 | 海美 |
菊池真 | 17> | まこっちゃん | 海美※ |
如月千早 | 16= | 千早さん | 高坂さん |
北上麗花 | 20> | 麗花 | 海美ちゃん |
北沢志保 | 14< | しほりん | 海美さん |
木下ひなた | 14< | ひなぴー(追記参照) | 海美さん |
高坂海美 | 16= | 私(うみみ、うみみん) | / |
桜守歌織 | 23> | かおにゃん(ミリシタ) | ? |
佐竹美奈子 | 18> | 美奈子先生・みなちん(ミリシタ) | 海美ちゃん |
四条貴音 | 18> | 貴音さん | 海美 |
篠宮可憐 | 16= | 可憐 | 海美ちゃん |
島原エレナ | 17> | えれなん | ウミ |
ジュリア | 16= | ジュリア | 海美 |
白石紬 | 17> | ? | ? |
周防桃子 | 11< | ももちん | 海美さん |
高槻やよい | 14< | やよちゃん | 海美さん |
高山紗代子 | 17> | さよちん | 海美 |
田中琴葉 | 18> | 琴葉 | 海美ちゃん |
天空橋朋花 | 15> | 朋花様 | 海美さん |
徳川まつり | 19> | まつりん | 海美ちゃん (ウミミ姫)※ |
所恵美 | 16= | めぐみー | 海美・うみみん(ミリシタオフショット) |
豊川風花 | 22> | ふーちゃん | 海美ちゃん |
中谷育 | 10< | 育りん | 海美さん (海美お姉ちゃん(ミリオン女学園)) |
永吉昴 | 15< | すばるん | 海美 |
七尾百合子 | 15< | ゆりりん | 海美さん |
二階堂千鶴 | 21> | ちづるん | 海美 |
野々原茜 | 16= | 茜っち | ウミミン |
萩原雪歩 | 17> | 雪歩さん | 海美ちゃん※ |
箱崎星梨花 | 13< | せりりん(BC) | 海美さん |
馬場このみ | 24> | このみちゃん | 海美ちゃん |
福田のり子 | 18> | のりさん | 海美 |
双海亜美 | 13< | 亜美 | うみみん |
双海真美 | 13< | 真美 | うみみん |
星井美希 | 15< | ミキミキ | 海美※ |
舞浜歩 | 19> | 歩 | 海美 |
真壁瑞希 | 17> | みずきん | 高坂さん |
松田亜利沙 | 16= | ありりん | 海美ちゃん |
三浦あずさ | 21> | ? | 海美ちゃん※ |
水瀬伊織 | 15< | いおりん | 海美 |
宮尾美也 | 17> | 美也・(美也ちゃん) | 海美ちゃん |
最上静香 | 14< | モガミン | 海美さん |
望月杏奈 | 14< | もっちー | 海美さん |
百瀬莉緒 | 23> | 莉緒ねぇ | 海美ちゃん |
矢吹可奈 | 14< | かなりん(ミリシタ) | 海美ちゃん(ミリシタ) |
横山奈緒 | 17> | なおー(ミリシタ) | 海美 |
ロコ | 15< | ロコロコ | ウミ |
海美の付けるあだ名がかなり不規則なのは認識していたものの、改めて調べると本当に複雑。あだ名は本名に「りん」を付けるパターンだけではないし、本名で呼ぶ場合も「さん」「ちゃん」の付け方(または付けないか)が年齢の上下だけからは決まらない。高坂海美研究者はこの背後にある法則を見つけているのだろうか*1。ただ、特定の相手に対しては特に理由がない限り*2一貫したあだ名で呼ぶため、彼女なりのルールがあるのだろう*3*4。
印象的なところでは、豊川風花を「ふーちゃん」と呼んでいるのがかわいい。少し年上の親戚のお姉さんくらいの気持ちで接しているのを想像。馬場このみを「このみちゃん」と呼んでいるのも全く純粋な感覚からそうしていそうで良い。同じく大人組の二階堂千鶴・百瀬莉緒は「女子力」の手本として慕っているところがあってまた良い。
意外だったのが、グリー版では箱崎星梨花の名前を呼んでいる場面が見つからなかったこと。Blooming Cloverではあんなに一緒にいるのに。他にエミリー・スチュアート、木下ひなた、佐竹美奈子(追記参照)の呼び名が分からない*5。三浦あずさは「ミリオン女学園」で「あずさお姉さま」、「アイドルヒーローズ」で「あずささん」と呼んでいるが、素の状態での呼び名ははっきりしない。横山奈緒はミリシタのPBAコミュ第4話から(グリー版にもある?)。宮尾美也の呼び方には「美也」「美也ちゃん」で揺れがあった(ただしミリシタ以降は「美也」のみ)。
桜守歌織と白石紬の呼び名はまだ分からない。中の人の上田麗奈さんと南早紀さんが事務所の先輩後輩ということで、白石紬さんとはMEG@TON VOICE!で小芝居みたいなことをやっていた気もするけど記録を残していないし特に台本の無い即興芸だったはず。
これをまとめている最中、ミリシタに高坂海美中心のメインコミュ18話「ひろがる気持ち☆」が追加された。ココロ☆エクササイズ。あの世界一かわいいファイティングポーズがたくさん見られる。
(3/14追記)
アイドル呼称一覧 - ミリオンライブWiki
ミリオンライブwikiの呼称表。佐竹美奈子は「美奈子先生」らしい。2015年の誕生日のやりとりから。
高坂海美 - ミリオンライブWiki
これ以外の空欄箇所は自分が作成したものと同じ。最上静香の欄の「静香ちゃん」が気になる。
木下ひなたについては @superfroggest さんから「木下ひなたwiki」の呼称一覧を教えていただいた。
呼称表 - 木下ひなたwiki
「ひなぴー」らしい。亜美真美と同じ。ただしソースは3周年記念ドラマCD*6だそうで、自力で確認ができない。
エミリー・スチュアートについては未だ分からず。「えみりん」がしっくりくるけど案外「エミリー」そのままかも。バレエと日本舞踊という伝統舞踊を習っていた点での共通点があったりするのでそのうち絡んではくれそう。ミリシタでの属性も同じPrincessなのでそう遠くはないかも。
とか言っていたらこんな会話があったことに気付いた。
プロデューサーの「苦手なダンスは?」という問いに対して「動きがゆっくりだから!私、落ち着いてるのって苦手だしね☆」とのこと(ネクストプロローグ編Lv2)
「バレエなら次のステップとか、姿勢を維持するのに集中しちゃってるけど…。ま、やってみたら違うかもしれないから、わからないけどねーっ。」
それにしても「ふーちゃん」かぁ……「ふーちゃん」……ちょっと甘えのある感じがなんとも愛おしい……。ゲーム内の絡みが予想外に多かったが、LIVE THE@TER FORWAD(LTF) 03 Starlight Melody「MC03~その頃舞台裏では」にも会話がある。「永遠の花」を歌うにあたってまだ不安の残る風花さんを「ふーちゃん、がんばってね!」と送り出す海美の優しい声……。そしてミリシタTHE@TER BOOST!「超ビーチバレー」で新入生役高坂海美、キング役豊川風花として共演が決まっていることを思い出して動揺した。ミリシタで「ふーちゃん」を聞ける日も遠くない。
(3/14追記終わり)
(3/16追記) センパイが来てくれない。
昨日のミリシタのアップデートで過去のホワイトボードが見られるようになったので眺めていたら、中谷育の誕生日のホワイトボードに海美が書き込んでいたことを思い出した。
佐竹美奈子・中谷育(ミリシタ2017/12/16中谷育誕生日ホワイトボード)
自画像が可愛すぎる。それはともかくここでも佐竹美奈子のことを「美奈子先生」と呼んでいたので画像を追加。
しかしこの「美奈子先生」呼びは背景にある色々があまりに魅力的ですね。厨房で手際よく料理を作る美奈子をキラキラした尊敬の眼差しで見ているんだろうな~とか。
(3/16追記終わり)
(3/30追記) 福田のり子さんお誕生日おめでとうございます。
むむ…「のり子さん」…これからミリシタでもまたあだ名で呼ぶ仲になるのかどうか。
と、この記事を見直していたら桜守歌織さんを「香織」と書いていて泡を吹いた(修正済)。いちばんやっちゃいけないやつだぞ。
(3/30追記終わり)
(6/9追記)
人生って楽しいーー!!!
5thライブで発表された閃光☆HANABI団(高山紗代子・高坂海美・佐竹美奈子・横山奈緒・福田のり子)、他の4人全員を海美はあだ名で呼ぶ。「美奈子先生」を聞けるか…!見るからに熱い面々(脳筋プリンセス……)なので今から楽しみ。超ビーチバレーも。人生って楽しい~~~~~
ところで上に書いた「のり子さん」はいつかの時点で修正されていたらしい。よかったよかった。
ミリシタといえばメインコミュ20話の「朋花様」でざわついていたのも記憶に新しい。
(6/9追記終わり)
(6/16追記)
「呼ばれ方」を追加。最初の作成時にある程度はまとめていたものの、「呼び名」に比べると確認する範囲がどうしても多くなってしまって書けなかった。しかしどうせ「呼称表」とするなら双方向にすべきだろうと今更ながらに思い立ち……。※付きはアイドル呼称一覧 - ミリオンライブWikiからの引用。その他はソース画像が無いが、ほとんど「呼び名」が分かる場面のすぐ近くの会話中に出てきた。「呼び名」に比べるとトリッキーなところは少ないが、
- 日常的に「うみみ」/「うみみん」/「ウミミン」と呼ぶのは大神環/双海姉妹/野々原茜さん だけ
- のはずだがミリシタの「オフショット」で所恵美が「うみみん」と呼んだりしている
- 矢吹可奈が年上を直接「ちゃん」付けで呼ぶのは比較的珍しい(他に七尾百合子・ロコ)
あたりは特筆。
(6/16追記終わり)
(6/21追記)折よく佐竹さんSSRをお迎えできました。
閃光☆HANABI団イベントが始まりましたね。1万ptまで走りぬけてイベントコミュを見ました。
(イベントコミュ第2話「ドドンとレッスン開始!」)
うおーー……。
(6/21追記終わり)
(7/8追記)アキバの閃光☆HANABI団グッズを買えなかった
(イベントコミュエピローグ「エンドレスなサマー」)
やったーー!!
………「ふーちゃん」に至るまでのやつもやってほしい………。
(7/8追記終わり)
(2019/01/30追記)
年が明けて1月29日に更新された大神環メインコミュ「ヒーローで、アイドル!」にて歌織さんを「かおにゃん」と呼んでいることが判明。
「-にゃん」を付けるパターンのあだ名は他にいなかったのでまた不規則度が上がる。呼び名一つで「どう接しているか」の見え方が変わるので味わい深い。
それにしても海美が虫のことを嫌っていなくて安堵した……。ずっとそのまま、たとえば野山に出かけたとき見つけた珍しい虫に目を輝かせていてね……。
(2019/03/06追記)
限定SSR「ガールズ・フェスティバル」のコミュにて「美咲ちゃん」を確認。青羽美咲→高坂海美はまず間違いなく「海美ちゃん」だが確実なソースを見つけられなかったため一応空欄。なお本名+ちゃんのパターンはこのみさんに続いて2例目。
そろそろこの記事を書いてから1年になるが、自分の知る限りこの間エミリーとは絡まなかった。十二単を着るというニアミス(?)が惜しい。
(2020/01/20追記)
元号が変わり、年が明け、ついにミリシタのオファーテキストによってエミリーの項が埋まる。「えみりん」だった。予想通り。
紬の名前を呼ぶイベントはなかなか発生しない(見落としていなければ…)。しかしオファーテキストは定期的に追加されているため、コンプリートの希望が見えてきた。
なお、これを書いているときには既に2枚目の限定SSR「新春ハピネスガール」の期間が終わっているが、うちのシアターには来なかった。無念。入れ替わりに「百花は月下に散りぬるを」イベントが開催されている。
☆以下ソース画像。
*1:あだ名に関しては亜美真美・茜ちゃんと一部重複してはいる
*2:佐竹美奈子に対しては、みなちん=>美奈子先生という変化が閃光☆HANABI団イベントコミュで起こっている。
*3:メタ的にはシナリオ作成上の都合がもちろんあるだろうけれど…。
*4:なお、「アイドルヒーローズ」で役を演じているときには本名(主に下の名前)で呼ぶ。
*5:本記事作成時
*6:BLOG│THE IDOLM@STER OFFICIAL WEB | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト 応募者全員が貰えたそうだがその頃自分は初めてまもなかった…
「昏き星、遠い月」CDを聞いたあと
MTG05の「昏き星、遠い月」ドラマパートを聞きました。練習風景が描かれたイベントストーリー中で断片的に演じられた劇を補間する内容。台詞がより充実するとともに曖昧だった点のいくつかが解消された。ただしどういう理由か練習時との相違もあってやや慎重に読む必要がある。
コミュ6話視聴後の記事
shironetsu.hatenadiary.com
フラゲ前の記事
shironetsu.hatenadiary.com
場面ごとに大雑把にメモ。
- 『Prelude』
最初のクリスティーナが語るバックに流れる音楽、エコーのかかった声が劇場を思わせて良い。エドガーが「すっかり寒くなってきた」と言っているので二人の出会いはそういう時季らしい。ついでにクリスティーナは日傘をさしている。
そしてさっそくここでイベントストーリーとの相違が生じている。あちらではヴァンパイアに襲われた死体を見つけたエドガーが、路地裏に佇むクリスティーナに声をかけたことが二人の出会いのきっかけだった。一方こちらでは仕事を終えたエドガーが平凡な一日の終わりに見つけている。イベントストーリーではぼかされていたクリスティーナの狩りの様子も直接描かれずいぶん簡単になった。
- 『再会、強襲』
再びエドガーの前に姿を現すクリスティーナ。からかいからかわれる様子がかわいい。全体的に儚げな雰囲気をまとっていたイベントストーリーのクリスティーナにくらべてお茶目。
後半ではアレクサンドラたち一家の暮らしていた屋敷が襲われたときのことが語られる。エレオノーラが犯人ではない可能性を考えたりもしたがさすがにそれはなさそうだ。そしてアレクサンドラは「不浄を祓う剣の使い手」だとエレオノーラの口から語られる。……悩ましい。
エレオノーラ(と辺境伯)が屋敷を訪問したのは何のためだったか。香を携帯していたのだから誰かをヴァンパイアに変える準備は常にできていたのだろうけれど、予め目的としていたわけではないのかもしれない。「不浄を祓う剣の使い手」の噂を聞いて手元に置くために父母を殺し、偶然見つけたノエルをヴァンパイアに変えて人質に取った……といったあたりか。
- 『大切なもの』
クリスティーナがエドガーは女だと知ったきっかけが「偶然知ってしまった」になっている!イベントストーリーでは倒れたエドガーを家に連れ帰ったときに知ったことになっていた。そこで互いの秘密を打ち明け合って結びつきを強める……という意味があったはずだったが。クリスティーナが男だと触れられないことより、この違いのほうが重大かもしれない。エドガーの男装の理由(第2話の台詞「あんな場所じゃ、女は生きていけないから……」)についてもこちらでは特に語られない。
二人が追剥ぎに襲われる場面が続く。永吉昴演じる不良に「ルカ」という名前が付いていて、エドガーと知り合いだったことが分かるやりとりがある。クリスティーナに締め付けられて苦しむ声の演技がとても良い。
- 『誇り』
前半はイベントストーリー第6話に含まれる内容とだいたい同じ。ただエドガーがアレクサンドラとナイフでやりあう場面が加わり、ミリシタのMVにより近くなっている。
城に帰ったアレクサンドラが正体をさらしたエレオノーラに切りかかる場面。やはり油断というか、アレクサンドラはヴァンパイアになる道を選ぶと疑っていなかったことが死に繋がっている。切り付けられたときの当惑。「ああ……そう……アレクサンドラ……あなたは……。そうだったの?……知らなかったわ……。」この台詞は語られてない設定があるというよりは、自分がヴァンパイアになったときの迷いのない選択と比べているのだと考えたい。実際、姉妹がこれ以上の不幸を味わわないためにはアレクサンドラがヴァンパイアになるしかなかったはずで……。
- 『ひかりさす』
エレオノーラが人間だったときのことが初めて語られる。「この城は呪われている、ヴァンパイアがいる」と叫ぶ暴徒。その人間たちに殺された元夫と娘のアンジェラ。逃げ出した彼女の前に現れた一人のヴァンパイア(「彼」)。「復讐したいか?」と聞かれて迷うことなくヴァンパイアとして生きていくことを選ぶエレオノーラ。「虚ろな世界、壊してしまって…創り直すの」という歌詞の背景にあるのは彼女の深い絶望か。
- 『Overture』
preludeとovertureはどちらもだいたい「始まりの曲」の意味でいまひとつ違いが分からなかったが、インターネット上にはこの疑問に対する回答が無数に存在して、それによるとovertureはその後のオペラのあらすじのような内容を含む音楽である一方、preludeはもっと広く開幕に合わせて演奏される楽曲らしい。具体例を知らないので曖昧だけど。「昏き星、遠い月」がoverture的な楽曲ということになる?
overture : 序曲 - Wikipedia
prelude : 前奏曲 - Wikipedia
エレオノーラが言ったようにノエルがヴァンパイアとして覚醒する凶兆を見せてこの物語の幕は下りる。こちらでははっきりとは言っていなかったが、アレクサンドラはノエルが人を襲うようになれば殺す決意を持って旅に出たはず。姉妹の旅はどこで終わるのだろう。
考察。さて、イベントストーリーとの一番大きな相違点はクリスティーナが男であると直接的な言及がないことだろう。加えてクリスティーナの「罪」にも直接触れられていない。とはいえそれらの設定が消えてしまったと考えるともはや別作品、可能な限りどちらも採り入れる立場で*1。
「昏き星、遠い月」のラストに語られる「愛し子」を重視してCD購入以前に検討していた、クリスティーナがエレオノーラの実子であったりエレオノーラが人間であったりする可能性はもうほとんど消えたといっていい。新たに浮かんでくるのは娘のアンジェラが実は生き残っていてエドガーとして育った……といった可能性。
「腐った世界」から逃げ出して理想郷を探すのがエドガー、壊して作り直そうとするのがエレオノーラ。エドガーの誘いに乗るのがクリスティーナ、エレオノーラの甘言を拒んだのがアレクサンドラ。「黒」側と「白」側(舞台衣装)にそういった対比はあるものの、エドガーとエレオノーラを血縁関係で結ぶべき理由としては薄い。やはりアンジェラは本当に幼くして死んでしまったと考えるのが妥当か。
主要人物4人の関係については、今のところどの2人の間にも血縁関係を仮定することに合理的な理由はないと思う。
しかしエレオノーラとクリスティーナの関係がなおも問題であることに変わりはない。エレオノーラの前に現れたのは男のヴァンパイアらしいので即座に「クリスティーナがエレオノーラをヴァンパイアに変えた」説の補強になると考えた。
しかしエレオノーラが人間だったころの城にヴァンパイアがいるという噂が立ったのは何が原因だったか。その後に現れたヴァンパイアとの関係は?
エレオノーラの正体をクリスティーナが知っている理由としてこれを採り続けるためには、同時に説明すべきことがちょっと多すぎる。
点と点を無理やり繋いで新しく次の説を立てる。
エレオノーラを見そめた男のヴァンパイアが民衆を扇動して彼女の城を襲わせる。「あの城にはヴァンパイアがいる。」愛する娘と夫を失いながら、命からがら逃げだしたエレオノーラの前にそのヴァンパイアが現れ、ヴァンパイアになって人間たちに復讐するという道を示す。「復讐したいか?」他の選択肢は考えられなかった。そうして一人のヴァンパイアが生まれる。
時が経ち、あの日の悲劇がその男の仕組んだものだったと知ったエレオノーラは、彼を殺して復讐を果たすと同時に、全ての悪しきヴァンパイアを滅ぼすことを誓う。単身ヴァンパイアを殺しながら、更に力を蓄えるため軍を従える辺境伯に取り入る。そして噂に聞く「不浄を祓う剣の使い手」を側に置くためアレクサンドラ一家の屋敷を襲う。
さらに月日が流れ、あるとき国王から辺境伯へヴァンパイア討滅の勅令が下る。辺境伯夫人エレオノーラは街に侵入したらしいヴァンパイアの捜索と退治をアレクサンドラに命じる。しかしそのヴァンパイア、クリスティーナの目的はエレオノーラに殺された同族たちのための復讐だった。二度目の接触でクリスティーナはアレクサンドラにエレオノーラの秘密を教える。クリスティーナが目論んだ通り、アレクサンドラはエレオノーラを殺す。
エレオノーラにとって、アレクサンドラがヴァンパイアとして生きることを拒むなど予想もしていないことだった。ヴァンパイアになれば愛する妹と永遠に生きていくことができるのに。自分がかつてそうしたように。
……この説だとクリスティーナが男であってもなくても変わりがないかも。しかしエレオノーラの城がよりによって「ヴァンパイアがいる」という噂のために襲われた事件と、その直後にヴァンパイアが現れた理由の関係を無理なく繋ぐにはこれくらいしか考えられない。いっそクリスティーナが男であるという設定が生きているとしても他の何にも関係していない、と考えたほうが楽。
隠された出来事があるとすれば、人間を憎むべき過去を持つエレオノーラが「ヴァンパイアの淘汰」に心血を注ぐようになったきっかけだろう。強いヴァンパイアを集めてやがて人間たちの世界を壊そうとしていた? 軍を従えたり(アレクサンドラは「辺境伯夫人の軍」という言葉を口にしている)、祓魔の騎士:アレクサンドラを獲得したのは「復讐」が原動力になっていることは間違いないと思う。しかし何に対して?
難しい。まあ答えがすべて明白になってしまわず、語れる部分が残されているので良かった。たぶんまだ何か思いつくたびに追記していく。
……ところでちょうど一か月後の3月28日はMTG06"Cleasky"のCDの発売日。そのドラマパートは「昏き星、遠い月」より分量が多いという朗報がある(dareradi第89回の角元さんの発言)。オープニング曲としての「虹色letters」はこのストーリーによって完成するものであるはず。「未送信letter」と二人の手にある手紙の間を繋ぐ出来事とは……。バレンタインの生放送でも二人して「エモい」と言っていたドラマCD、「昏き星、遠い月」を聞いた後では更に期待が高まる。
www.youtube.com
あまりにもいい……二人の優しい声に切なげな笑顔、目を合わせるところとか「未送信letter」の手を繋いで歩くような振り付けとか……。
(3/3追記)
製作者の意図がどうあれ、それが明らかにされない以上作品解釈に正解不正解は決められない(し相異なる解釈で楽しむべきだ)と思うけれど、イベントコミュとCDのボイスドラマはやはりある程度区別したほうがよさそうだという考えに傾きつつある。……端的に言うと、CDではクリスティーナが男だという設定は反映されていないのではないかと。多くの人にとっての困惑の種になっているのではないだろうか。
この物語の登場人物たちそれぞれが秘密を抱えている、というのはストーリーの重要な要素だった。このことはイベント終了後に届いたメールでも千鶴さんが語っている。
ところで、お気付きでして?
『昏き星、遠い月』の登場人物達には、
全員、秘密があったことに……。
クリスティーナは自分が男で、ヴァンパイアであること。そして「罪」。
エドガーは自分が女であること。
エレオノーラは自分がヴァンパイアであること(と過去?)。
アレクサンドラは妹ノエルがヴァンパイアになったこと(それを妹に教えていないという秘密)。
エドガーにとって、自分が女であることを知られるのは弱みを晒すようなことだった。それを本人の意図に反して知ってしまったかわりに、クリスティーナは自分が男であると明かした。しかしクリスティーナの秘密はそれひとつではない。もうひとつの秘密、自分がヴァンパイアであることはまだ隠していた。そして、自分がヴァンパイアの力を発揮する姿を見られたくなかったがためにエドガーは不良に襲われてしまう。
イベントコミュでは互いの秘密を明かす場面は物語の進行上非常に重要だった。それに美しい。人間ひとりの生殺与奪を握るに十分な力をもつヴァンパイアの家で、性を偽ってまで強く生きようとする少女が介抱されている図。クリスティーナの住処でエドガーが目覚めて会話する場面、絶対に舞台で見たい……。
一方CDではクリスティーナはエドガーが女であると「偶然知ってしまっ」ている。そう言われたあとのエドガーの反応もずいぶん軽い。CDとコミュは相補的で両方聞いて初めて全体像が分かるようになっている、という考えも否定しきれないとはいえ、そこまで慎重に組み立てているならこの重要なポイントを変えるのはちょっと変。そういった理由で、単に言及されていないのではなくCDのクリスティーナは男として設定されていないのではないかと疑ってしまう。
(また追記)
(作り手の方々がニコ生やリスアニ!等でこの作品について語られるのを目にする機会が増えるにつれ、CDとゲームとで設定が異なると考える態度こそが不誠実に思われてくる)というか曲とシナリオ作りが同時に進行していたのは明らかなのでメタ的に見てもやはりクリスティーナは男だと考えたい。少なくとも秘密を明かすタイミングが異なっている点については別のルートが選ばれとみなせばいける。そういえばこの作品はそういう要素のあるゲームの作中作だった。アイドルマスターミリオンライブ!
*1:イベントストーリーだけをもとにして色々考えたように、このCDドラマだけを材料にして考察するのもありだと思うけど